花捨つる日
シキウタヨシ
記
朝起きいで朝餉喰ろうて友がらと語りおうたる何わろき日ぞ
朝の陽に夜来の雪は照らされてあさの光をふくみつつ落つ
なんにでも否とこたえるみどり児の小さき芽吹きを見送る車窓
床に臥して狭庭のいろを見えずおり枝垂れの梅はいかがせむとや
陽足延ぶ緑の萼の枝垂れ梅様子見るよう徐々にふふめる
大木の梅の小枝よりいただきし緑萼の小梅今年もふふむ
枝もらいし親の大樹はいまはなし緑萼の小梅伸びやかに育つ
苦も楽も時を経たれば笑となり笑の数だけ深む人生
薫風を香らす梅も開き初め雪は積もれど春はすぐそこ
今日を生く険しく道のあるとても二本の足で歩きゆくよう
花育て花を切りきて花を挿し花衰えて花を捨つる日
/了
花捨つる日 シキウタヨシ @skutys
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