第2話一人目の蜜

よく晴れた。青空の下で、俺は、ある蜜候補を

待っていた。あの日、放課後の教室で、つい、

寝ってしまった。俺の唇に、キスをし、そのまま

教室から、姿を消した。俺の初めてのキスの相手を

俺は、探して見せると、決めってから。俺は、いくつからの

候補を絞る事に成功した。あの日は、俺以外に、学校に

いたのは。部活動中の生徒と顧問先生。それから、少人数

の暇を弄ぶ。その他の生徒たち。あとは、教員が数名。

だが、教職員は、除外した。それは、いろいろと面倒な

事になるかな~って思ったのと。生徒のファーストキスを

奪う。淫らな女性教師は、うちの学校にはいないと思ったからだ。だから、教員は

除外した。となると、残りは、あの時に、学校にいた。生徒の中から

見つければいいだけ。まぁ、どうやって、キスの相手かを確かめるかは、

その時に考えればいいや。とにかく、俺は、その中から、一人の女性

生徒にターゲットを定める。それは・・・・・・「おっはー。正夜ー」

「痛た・・・・・・なんだよ。お前かよ・・・・・・藍」俺の後ろから

大きい声でかけたのは。富田藍とみたあい。俺とは、小さい時

からの。幼馴染だ。「こんな所で、何をしてるの?」「いや、別に・・・・・・

何もしていないけど・・・・・・」藍にこの事が知られるわけにはいかない。

俺が(実は、俺のキスの相手を探しているんだ)なんて、言ったら。この女は

絶対に笑うにきまっている。耳にかかる程の長さの濃い茶色の髪と、黒の大きな

瞳。それに、あのプルンとした。ほのかに、淡い桃色の唇の幼馴染に。

(やけに、唇だけ。明確に詳細を言う)知られるわけにはいけない。

生唾を飲み。俺は、背後の藍の方に、体を向けて。とにかく、誤魔化す事にした。

「いやー実は、この辺にめちゃくちゃ可愛い猫がいってさぁー」「猫?」

「そう、その猫を来るのをここで、待っていた訳さぁー」こんな、学校近くの

場所の猫を待つなんて。もう少し、まともな誤魔化し方をしろよ。俺のバカ。

俺の下手な嘘を昔から、笑いながら。俺の事を見ながら。「正夜って、そんなに

猫好きだったけ」腹を抱えながら。ゲラゲラと笑う。藍は、相変わらず。

可愛い笑い方をする。傍から、見れば。めちゃくちゃ、可愛いけど。俺は、藍

の事は異性として。見た事は、一度もない。まぁ、向こうも俺の事を男としては

見ていないけど。俺は、勝手にそんな事を思っていた。思っていたけど。藍の

俺にとっては、意表をつく言葉が、返って来た。「私は、てっきり。初めての

キスの相手を探しているのかと思ったよ」「えっ⁉」俺が、藍の言葉を聞いて。

固まっていたら。藍の唇が、ゆっくりと、俺の口に近づいてくる。そして、そのまま。俺は、藍とキスをした。そのキスの味は、あの時と同じで、とても甘い。

蜜の味がした気がした。

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