Help~アース編 The Extra Story~
のらにのい
1-1.5-1 父親
息子が帰って来なくて一夜が明けた。妻は、時々発狂したように叫んだり泣いたりして落ち着かない状態になっていた。私は、妻を落ち着かせようと必死に押さえつけていた。警察からはなにかあったら連絡を入れると言われいていたが何も連絡がなくどうすればよいのか全くわからない。私自身も落ち着かない中いつもは出勤する時間になったがこの状態で仕事に行くわけに行かず有休を取ることを決めていた。妻は発狂に疲れてかわからないがソファーで横になっていた。起こすのも悪いと思い、妻をそっと寝かせたまま朝食を取ることにした。
朝食を取りながら新聞を読んでいたが息子の情報はどこにも書かれていなかった。私たちに取っては重大な事件であるが社会に取っては取り扱われない物であるのだと実感してしまった。そう考えているとスマホが鳴った。私は息子から電話が来たと思い画面を見たらそこには妹の名前が表示されていた。
「もしもし、お兄ちゃんターくん行方不明って本当なの」
妹がいきなり息子が行方不明になっていることに驚いた。もしかしたら警察が連絡してくれたのかと思いつつ話を進めることにした。
「お前の所にも連絡が行っていたんだな。タカから連絡あったか」
「やっぱりそうなの...実はねトコちゃんがねSNSでターくんが行方不明になっているいうから見てみたらターくんの写真だったからもしかしてって思って連絡入れてみたの」
妹からそう伝えられて私は驚いた。
「警察が動いてくれているみたいだな。心配させてすまないな。」
「警察じゃないよ。投稿見た感じターくんの友達みたいだよ。お兄ちゃんなにかあったら連絡してね。私にできることあったらなんでも言ってね」
「ありがとう。でも、おふくろのこともあるからそこまでは大丈夫だ」
「わかった」
そういって電話を切った。
私が、電話をしていることに気が付き妻が起き上がってきた。
「ねぇ今の電話タカから。それとも警察」
妻は必死な目で私に聞いてきた。
「佳子からだったよ」
「なんで佳子さんからなのもしかして佳子さんがタカを?」
「落ち着けタカの事知って連絡してくれたらしい。なんかタカの友達がSNSで探してくれてたらしい」
それを聞いて妻は発狂したように話かけてきた。
「なんでSNSでタカの事言われているの?警察は何もしてないの?タカの個人情報が公表されてるなんてありえない」
そう言い、妻は突然スマホを持ちどこかに連絡を入れた。電話を入れると妻は発狂した勢いのまま話始めた。
「タカの情報がネットに出されているってどういう事なの?早くタカを探しなさいよ。警察って無能なの。」
今までに見たことのない妻の姿を見て驚くなかどうやら警察に連絡を入れてることがわかったため私は、妻からスマホを取れ上げ変わりに電話にでた。
「申し訳ございません。昨日、行方不明届を出した者です。妻が混乱してまして電話してしまった見たいです。」
「そうでしたか。こちらで確認が必要なので詳しいこと教えて頂きたいです」
妻が「返しなさい」と叫ぶ中私は電話で息子の土本孝義が行方不明になっていることを伝えた。
「わかりました。確認が取れました。息子さんの心配があると思いますが出来たら110ではなく署の方に連絡をお願いします」
そう言われつつ電話を切った。
妻はご機嫌が悪くふてくされていた。妻の前で会社に電話するとまた何が起こるかわからないため、私は2階に上がり電話をした。部長に連絡を入れると落ち着くまでは仕事はなんとかすると言ってくれたため仕事については安心ができた。
リビングに戻って見ると妻が泣き続けていた。妻を見ていると人がここまで変わってしまうのかと驚いてしまうぐらいだ。再び私のスマホがなると妻が反応を起こし「誰?」と聞いて来た。見てみると佳子からであった。
「なんだまた連絡してきて」
「それがね。おばあちゃんがそっちに行くって言っタクシーで出かけちゃったのよ」
「おいおいこっちにお袋がくるのか?止めてくれよ」
「私も止めたけども行くって言いきっちゃって。ごめん」
「わかった。こっちに来たら説得する」
そういって電話を切った。
「ねぇ。お義母さんこっちに来るの」
電話を切った途端に妻が質問してきた。
「タカを心配してくるみたい」
「お義母さん来ても何も解決しないのにね。わからない人だわ」
私は、このことを聞き今の2人を合わせると絶対になにか起こると思ってしまった。どうしたらよいのかわからなくなってしまって早くなんとかなってほしいと思った。
******
私は、数時間仮眠を取った。しかし、布団の中で横になるだけで本当に寝れていたのかわからないぐらい浅い睡眠であった。
昼が過ぎた頃、お袋が家に到着した。
「タカがいなくなったって本当かい」お袋は来るとすぐに話始めた。
「今、警察が捜索しているみたいだ」
「どうせ、警察なんて探してないでしょ。私が探しに行くわ」
「お袋少し待て」
お袋を止めても話を聞いてくれずそのまま家を出て行ってしまった。
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