生物の五感で異世界無双自由と平和を求めて!

ヤンデレラの乙女

第1話 自由と平和を求める主人公





私の名前は天空 甘味(あまぞら あまみ)

高校2年生になるものだ


「いってらっしゃいませお嬢様」


私はそれなりに良いところの娘だ

だけどそれで良かったことなんてなかった

友達と遊ぶ時などないに等しい生活

書道・合気道・茶道・柔道・剣道・ダンス・作法・英会話・塾・ピアノ

全部言うとキリがないくらいにある習い事のせいで

私は完璧お嬢様と呼ばれている。

でも違う…実際の私は違う…私は友達と遊びたい…フードコートにも行きたい…何より!


「ファイアボール…やはり異世界の定番といえばこれだよね!早く続きが見たい…」


私は異世界に憧れていた。異世界に転生する小説を毎日メイド達に見つからないように読み

悪役令嬢の小説を見ていたら、自分の環境と大違いと思いながら楽しく読んでいた


「はぁ…こんな自由と平和な人生やりたいな…」


そんなある日


「確か今日は新作が出るはず…バレないように買っていこうかな」


私が横断歩道を渡っている時


プープー


私の目の前に高速で走るトラックが見えた


「え…?」


バーン


「お嬢ちゃん大丈夫か!?」


何が起こってるのかわからない…だけど

体が動かない…声も出す力もない…感じるのは眠気だけ…これって寝たらダメだよね…

ごめんね…◯◯…


キーンコーンキーンコーン


何…この鐘の音…私…トラックに轢かれたはず…


「ちょっと〜起きてくださ〜い」


ああ…幻聴も聞こえてきてる、やっぱり私死んだんだ…


「ちょっと〜?早く起きて〜?」


もう少し…楽しい人生が良かったな


「起きろ!!」


「うわぁぁぁ!!?え!?私生きてるの!?」


「やっと起きた…いいえ、あなたは死んでるよ?そりゃあもう血ドバドバ流して」


「最後の説明要らなくないですか?」


「はっきり言って要らないね」


「じゃあ何で説明したのですか…ところでここはどこなのですか?」


「ここ?ここはね…神の間ってところかな?」


「神の間?…確かに少し神々しいですね」


「まぁそこに座りなさいな」


「え…わかりました」


とりあえず私は椅子に座ったが…本当に神々しいというか…憧れの世界に来たみたいで内心ウキウキが勝っている


「まず初めましてだね!私はシャウラ、生物の神様なんだ」


「おお〜生物の神様」


「一応こちらに呼ぶときにある程度見たけど、改めて自己紹介してもらっていい?」


「あ…はい!天空甘味と言います!高校2年生です!」


「改めてよろしくね甘味ちゃん」


「よろしくお願いします!シャウラさん」


「さて…私が君をここに呼んだのは理由があってね…まずはあなたがあまりにも可哀想だったから」


「あはは…やっぱりシャウラさんから見てもあまり良くない環境ですよね…」


「そうだね…甘味ちゃんの場合はかなり自由も何もないに等しいからさ…だからここに呼んだの。あ!二つめを説明するね、二つめはあなたにお願いがあるから」


「お願いですか?」


「そう…あなたにはこれから異世界に転生してもらうんだけど…」


「異世界転生!?」


「ええ…そうだけど…」


異世界転生!記憶だけを伝承し新たな肉体で生まれ変わりまた新たな人生をスタートするファンタジー!!来たー!!!


「ぐふ…ぐふふふふふ」


「の…乗り気みたいで良かったよ」


「は!?ごめんなさい…つい興奮してしまい」


「いいよいいよ〜新たな人生をスタートするのだからそれくらいワクワクしてくれた方が嬉しいよ」


「それならよかった…あ!話の続きお願いします」


「そうだったね…その転生してもらうのだけど、そこであなたには「ゲート」になってもらいたいの」


「ゲート?扉ってことですか?」


「意味合い的には似てるけど…この世界のゲートは神と共に世界を変える存在。つまり世界を変える扉が甘味ちゃん、その扉の鍵になるのが私達神とか、あとは一部選ばれたものが鍵になるんだ。」


「少しいいですか?」


「いいよ?何かな?」


「一部選ばれたものと神が全員集まらないと鍵にならないのですよね?」


「そうだね」


「そうなるとその一部の人を私たちが血眼にして探すのは困難だと思うのですが」


「それなら安心して、ゲートとレアルキー達は必ず接点を持つし必ずつながる運命だからね」


「レアルキー?とは?」


「あ!ごめんね…説明するね?レアルキーは一部の鍵達のこと、私たち神の鍵はゴルディッドキーというの、そして全てのキーが集まってできるのがユニバーラクスキー。」


「ユニバーラクスキー…!」


「キーの説明に関してはこんな感じかな?」


「ありがとうございます!…でもシャウラさん?なぜシャウラさんは世界を変えることにしたのですか?」


「私だけではないよ。神達みんな同じ意見なんだよ。少し長くなるけど…聞く?」


「ここまで聞いた身ですから」


「わかった…まず、何で私たち神が世界を変えることを望むのか。それはこれからあなたが行く異世界…ハルティには自由を抑制して、生き物の魂を代償にして世界を保っているの」


「自由を抑制ですか?それに生き物の魂を代償に…ってどう言うことですか」


「まず自由を抑制、私たち神は世界を回す為に私は生き物を作り、他の神が地を壊し、また新たなものを再生させる。これは生物が自然的に進化するようにすることと、その世界を作る基盤となる。それに同じ環境にしないことで私たちは飽きないし世界は成長するからね…だけどとある日、人間達の中で世界を作り替えようとするものが現れた。名前はカルーヤ…初代の…ゲートキプラーだよ」


「ゲートキプラー?」


「簡単に言うと門番みたいなものだよ。さて話を戻そう…そのカルーヤは世界に自由を抑制してより良い世界を作る仕組み、そして二つめの生き物の死後、その魂は世界に吸われて、世界が生きるための糧となる仕組みを作り、世界が変化した。その結果、自由は抑制されて、代わりに形に束縛するようになり人間それぞれが文化や文明を作った」


「今の所…良いところだらけでは?」


「いいえ…自由が抑制されて形に束縛される。つまり今まで自由によってなかったもの…悪意などが世界に出てくるようになり、とあることが起きるようになる。何だと思う?」


「え?悪意…そして変わった世界…この二つで起こること…まさか!?」


「そう…殺人だよ。」


そうか…今までは自由に溢れていたから

悪意というものはなくて、平和に近い存在だった。だけどカルーヤが世界を変えたことで

悪意が出てきて、殺人などがおこる。いや待て?殺人があるということは…さっきシャウラさんは…自由が抑制されて束縛ができたことにより文化・文明ができる。ということは

それぞれの国みたいなものがあるということ。

殺人・文化・文明・国

ということは…


「世界が変わることにより戦争が起きて、たくさんの魂が世界に吸われた?」


「正解…それによって…たくさんの死者が出た。世界は生きられるが、代わりに人が死んだ。」


「それじゃあカルーヤは…自由と平和と人を犠牲に世界と文化と文明を取ったのですか…!」


「そうなるね…」


「そのカルーヤは…どうなったのですか…」


「わからない…だけどわかるのは今も生きてる」


「生きてる!?大昔の話ですよね!?」


「そうだよ…でもそれには生きていられる理由があるんだ」


「理由?」


「カルーヤは初の魔と主従関係をしていたんだ…あ!初の魔っていうのはそのままの意味で最初に誕生した悪魔なんだよ」


「生物の神のシャウラさんが創造したのではないのですか?」


「悪魔は生物というよりは概念…つまり欲求の擬人化みたいなものだからね。」


「そうなんですか…」


「それで、初の魔と主従関係を結ぶと並大抵のことでは死なないし、寿命もなくなるんだよ。もちろん力も桁違いに強くなる」


「初の魔というだけ、結構凄いですね…」


「そうだよ…この神の間も初の魔が作ったんだからね」


「え!?この空間をですか!?」


「世界が人々の魂で生きるようになって、私たちは神として元の世界にするべく抗ったんだけど…衰えていたとはいえみんなそれぞれ封印されたんだ。カルーヤと初の魔によってね…今はボコボコにできるけどね!」


「私は大丈夫なのでしょうか…シャウラさん達が勝てなかった人たちに…私が…」


「大丈夫!生物の神の私が言うんだから!自信持って!」


「…はい!」


「さて…長話しちゃってごめんね?お願いに戻るんだけど…一つがゲートになってもらう二つめが私たちを封印から解放して欲しいの」


「封印から?またここに来るということですか?」


「いいえ…ここには来ないよ。だって本体は別にあるから」


「……あえ!?本体別にあるのですか!?」


「うん!ハルティの至る所に私たち神が封印されてるよ」


「世界を地道に探せと?」


「そういうと思って!何とかみんなと連絡を取って地図に場所を示しておきました!!」


「おお〜流石シャウラ姉様」


「ふふふ!もっと褒めたまえ!」


「えーと…色がついてるところが場所ですかね?」


「そうだよ!地図は5歳になる時に自動的に枕元に出てくるからよろしくね」


「なんかサンタさんみたいですね」


「確かに…サンタだ」


「まぁそこは置いといて…わかりました!!頑張りますね!」


「あ!あとね前世で培ったものも5歳くらいまでは特に腕が落ちるとかないから安心してね!それと私たちが封印されてるところにはかなり強いモンスターがいるから気をつけてね」


「わかりました!では!行ってきますね!」


「うん!いってら…あ!ちょっと待って!」


「ど…どうしました!?」


危なかった…驚いてそのまま行くところだった…


「甘味ちゃんにスキル与えないとね!何か条件行ってくれたら絞れるよ」


「本当ですか!?そうですね…まずバランス的に攻撃も防御もできて…あと普通の人が選ばないような…自由なスキルとか!」


「OK〜!さてさて結果は…えぇ…これか」


「何が出ました?えーと「生物の五感?」」


「私が用意した最初のスキルなんだけど…あまりみんな選んでくれなくてね」


「みんなって…過去にもいたのですか?」


「いたよ…ゲートがいなくなる、又はゲートになるのを恐れてゲートにならずそのまま暮らすってなるとまた良い人をここに呼ぶって言うね」


「ちなみに前回呼んだのは…」


「10年前…貴方達の国…日本で言うと10日だけど」


時間差あるとは思ってたけど…差がすごい


「なかなか大変みたいですね…あ!私これにしますね」


「そうだよね違うスキルを…え!?これで良いの!?強いかわからないよ!?出来損ないかも」


「シャウラさんが私をゲートになってくれたと信じてくれたように、私もシャウラさんが作ったこのスキルを信じたいです。それに弱いスキルを強く使うのが私です!何せ前世でなんでもしてきましたから!」


「…立派な子だよ甘味ちゃんは…じゃあよろしくね!私と他の神達を解放して!そして!」


「「ハルティに自由と平和を!!」」





こうして甘味は異世界に転生した




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