セクシー女性教師の妹は幽霊
霜花 桔梗
第1話 セクシー教師と幽霊
桜の葉が落ち始める秋のことである。
私は『高橋 青龍』レイヤー撮影同好会の部室から空を眺めていた。
「青龍どのこないだの撮影会は有意義であったな」
話しかけてきたのは、オタクオーラ全快の『田中 哲夫』である、俺の小学生の頃からの腐れ縁の友達だ。
「あぁ、楽しかった」
「やはり、今回はフィルムカメラを使ったところが斬新であったのー」
今の時代にこのフィルムカメラを使った撮影がレイヤーさんの心を掴み大盛り上がりであったのだ。
「青龍どの、後で、学内にある写真部の使っていた暗室に行こうでござる」
フィルムカメラなので当然、現像の必要性が出てくる。そこは高校生の特権として暗室が使えるのだ。
「ハロー、元気している?」
部室のドアが開くと短いタイトスカートにピチピチのブラウス姿の『祟日 直美』先生が入って来る。その姿はセクシーで完全にコスプレにしか見えないのであった。
そもそも、教師になった理由が好きな恰好で仕事が出来るからだと言っている。確かにジャージでも問題ないのだから別ベクトルのセクシーな服でも良いとのことである。
「では、祟日先生、顧問として今日の一枚をお願いします」
田中は祟日先生に声をかけて、高そうなデジタル一眼レフを用意し、祟日先生にレンズを向ける。
「良くってよ、私のナイスバディは公共の財産ですもの」
短いタイトスカートは絶対領域であり。バストはブラウスのボタンがはち切れそうな大きさであった。
ああああ、私はセクシーな祟日先生の姿に目のやり場に困る。大体、この高校は部活に入る必要性があり田中のすすめで、渋々このレイヤー撮影同好会に入ったのだ。
そして、撮影が終わると。
「青龍どの、暗室に行ってこないだの撮影会の写真を現像するでござる」
「あぁ、行こう」
しかし、この高校の暗室には出るとの噂があり。始めての暗室なので若干の不安があった。
校内の暗室に着くと暗くして作業を始める。私は写真の現像など知識は皆無だが、田中は何処で調べたか不明の知識でテキパキと作業を始める。
すると、後ろから肩を叩くことを感じる。
誰かいるのかと振り返るとふわふわと浮かぶ女子生徒がこちらを見ている。
「で!出た!!!」
私が大声を上げると。
「ひいいいい、ゴメンなさい、ゴメンなさい。死んでいて、ゴメンなさい」
脅えている幽霊を見て、私は少し理性を取り戻す。
「この暗室に住む幽霊なのか?」
「はい。私の名前は『祟日 あすか』です」
祟日?珍しい苗字なので祟日先生の知り合いかと思う。私が問うてみると。
「はい、祟日直美は私の姉です」
はーあの祟日先生と姉妹なのは偶然なのか必然なのか不明だが嫌な予感がする。
「もう、あなたは私のお気に入りです。簡単に言えばとりつきました」
これは最悪の事態だ、幽霊にとりつかれるなど不幸に決まっている。
「青龍どの、どうしたのです?」
「あ、こちら、祟日先生の妹のあすかさんです。ちなみに幽霊との事です」
「むむむむ、バカップルオーラが出ています。青龍どの、いつの間に?」
「今さっきとりつかれた」
「そうか……。ま、よかろう、それであすかどのはコスプレに興味は有るでござるか?」
「大好きです」
「これはレイヤー撮影同好会に勧誘せねば」
鼻息の荒い田中はあすかに勧誘を始める。その答えはYesであった。
「ふつつかな幽霊ですが、よろしくお願いします」
挨拶をするあすかを見て、私の平和な日常は無くなり、幽霊にとりつかれた学園生活が始まるのであった。
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