ブラコン義妹とのイチャラブの日々+α幼馴染
青キング(Aoking)
一章 義妹とゲームコーナーで遊ぶ
起きて、お兄ちゃん!
まどろみの外から足音が聞こえた。
――お兄ちゃん。
肩に手を置かれ揺すられる。
――お兄ちゃん。起きて!
段々と鋭くなっていく声が聞こえた後、外部からの身体の揺動が激しさを増す。
脳みそが滅茶苦茶にシェイクされて目が回りそう……こんな起こし方をするのは妹しかあり得ないな。
「起きる、起きるから!」
俺は激しい揺動を制止させようと、勢いよく上体を起こした。
「お兄ちゃん、やっと起きた」
身体を揺する手が退かされ妹の声が聞こえた。
揺すって起こすのは妹の早那ぐらいだから振動を感じた時点でわかっていた。
早那はストライプ柄の長袖に黒地のワンピースを重ね着した格好でベットの傍に立っている。
「早那か。おはよう」
「おはようじゃない。もう九時半だよお兄ちゃん」
早那は愛らしい丸っこい瞳に呆れを浮かべて言った。
家族旅行でホテルに泊まっているとはいえ、休日なのだからいつまで寝ていても構わないだが。
「自由な時間に起きてもいいだろ」
「朝食のバイキング、終わっちゃう」
「一日ぐらい抜いたって死にはしない」
放っておいてくれ、と言外に伝えると早那は不満そうに唇を尖らせた。
「私だってお兄ちゃんが起きるのを待ってから朝ごはん食べてないんだよ」
「父さんと母さんと一緒に行けばよかっただろ」
「二人で話し合ったでしょ。旅行の間ぐらいはお母さんとお父さんに夫婦水入らずの時間を作ってあげたいって。覚えてないの?」
「そんなこと話し合ったか?」
「話し合ったよ。お兄ちゃんから言い出しことなのに」
「そうなのか。ごめん、まだ寝ぼけてるのかも」
寝起きで思い出せないだけかもしれない。
それに嘘をつくような内容ではないから早那が言っているのは確かなんだろう。
昨日の俺、すごく親孝行じゃないか。
「寝ぼけてるのならなおさら朝ごはん食べに行こっ、お兄ちゃん。顔洗って朝ごはん食べると眠気も吹っ飛ぶよ」
「こうして早那と喋ってたら眠気は吹っ飛んだな。今から二度寝できる気もしないし、着替えてバイキング行くよ」
「それじゃあ、急いでね」
「早那は先に行っていいぞ。着替えたら俺も行くから」
「ほんとに来る。二度寝しない?」
早那は疑う目で俺の顔を見る。
全く俺も信用がないな。
「行くよ。それとも何か、俺が着替えるところを見たいのか?」
俺は寝間着の裾を掴んでからかう。
早那は頬を赤らめた。
「ち、違う。お兄ちゃんの裸なんて興味ないもん」
「まさか妹に兄の裸を見たい欲求があったとは」
「だから違うって。もうっ、先に行ってるからね」
ちょっと怒ったような口調で告げて早那は部屋から出ていった。
可愛い反応をするから、ついからかいたくなってしまう。
ベッドの横に置いておいた今日分の服に着替えて、浴室内の洗面台で顔を洗うと、早那の後を追ってバイキングが開設されているホテルの一階へ向かった。
バイキングの用意されている広間に来ると、早那はバイキングカウンターから近い位置のテーブルを陣取っていた。
カウンターが近く良い席を取ってくれた、と感謝しようと思ったが早那以外の客が見当たらないことに気が付いて少し拍子抜けした。
近づくと、早那は嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「お兄ちゃん、意外と早かったね」
「早那を待たせたままじゃ悪いからな。それにしても他の客がいないんだが、ここのバイキングは人気ないのか?」
広間を見回しながら尋ねると早那の顔に呆れが現れる。
「あのねお兄ちゃん。私とお兄ちゃん以外の客はみんなもう食べ終えて、隣のアクテ
ィビティ施設に行っちゃってるよ」
「みんな早起きだな」
「お兄ちゃんが遅いんだよ。それに朝食のバイキングは一〇時までだからね」
早那は苦言を呈する。
早那に起こされたのが九時半だったから……
「俺、ギリギリじゃない?」
「だから九時半には起こしたんだよ。お兄ちゃん朝ごはん食べたいでしょ?」
確かに、朝ごはん食べないと空腹で気力が湧かないだろうな。
気を遣ってくれる妹に感謝の気持ちを覚える。
「ありがとう早那」
「うん。どういたしまして」
「だけどな、起こすときに思いっきり揺らすのはやめてくれ」
それぐらいしないとお兄ちゃん起きない、という早那のぼやきは聞かなかったことにして、様々な料理が並べられたバイキングカウンターへ向かう。
バイキングカウンターには、パンにご飯、スクランブルエッグに卵焼きなど和洋どちらも美味しそうな朝食が用意されている。
「早那も早くしないと時間なくなるぞ」
「食べる時間がないのはお兄ちゃんのせいだよ」
文句を垂れながらもトレイを持って俺の後に着いてバイキングカウンターの料理を眺め始めた。
不満そうにしながらも俺の事を気にかけてくれる早那は、本当によく出来た妹だ。
もしかしたら親が違い血の繋がりがないから、俺に似ず優しい性格をしているのかもしれない。
「ねえ、お兄ちゃん」
互いにスクランブルエッグを平皿に取ったところで早那が話しかけてくる。
「なんだ早那?」
「朝ごはん食べ終わったらゲームコーナー行こ」
こうして誘ってくれるあたり、なんだかんだと言いながら俺を嫌ってはいないんだな。
行くか、と誘いに応じると早那は声には出さないが嬉しそうに笑った。
血の繋がった妹だったらこんな可愛い笑顔にはならなかっただろうから、義妹で良かったと早那の笑顔を見て思った。
パンとスクランブルエッグだけの軽い朝食を済ませた後、俺は早那とホテルに隣接した遊戯施設に移動した。
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