あとがき

あとがき




 初めまして、柿原友恵です。


 夢中になるとほかのことに手がつけられなくなることは誰にでもあることだと思います。

 筆者もそういう感じで、『明日は用事があるから早く寝ないといけないのにゲームがやめられない』なんてことは誰にでもあることだと思います。

 これは十代の頃の話ですが、寝る前に本を読み始めたら徹夜してしまい翌日の予定を断ったこともあります。

 少し話が逸れましたが、この夢中になる期間が短いと難なく普段の生活に戻れるんですけれど、そこそこ長く没頭していると戻れなくなることがあります。

 それが今の私です。

 二〇二三年の後ろ三ヶ月をこのお話――『ダンウィッチと魔女の夜』を書き上げるために意識した生活をしてきました。

 書き終えてからしばらくは気ままに過ごしていたんですけれど、一週間くらい経ってから『あれ? 以前ってこの時間は何をしていたんだっけ?』と前の生活に戻れないことに気づきました。

 別にまあ、好きなように過ごしたらいいんですけれど、なんだか毎日物足りない気持ちのまま就寝し、朝を迎えるというのが続いています。

 このあとがきを書いている今もです。

 鳩原くんもこんな気持ちだったのではないでしょうか。


 というわけで、このお話のテーマは『魔法』です。

 魔法はかなり多岐に渡ります。

 種類を絞るのはもったいないと思ったので、時代は現代にしました。そうすればいろんな『魔法』が受け入れられた時代になるのではないかと。

 魔法が長らく台頭していたので科学の発展が遅れていたり、近年では科学が勢力を伸ばしてきたので魔法は衰退しつつあったりという時代になりました。

 鳩原くんはそういう時代の変化を肌で感じつつ、それでいて自分のできることとできないことの分別がつき始める年頃の少年です。

 きらきらと光るものに手を伸ばしても届かないことに気づいているからこそ、目の前に現れた魔女に惹かれたのだと思います。

 そんなわけで『ダンウィッチと魔女の夜』でした。

 ありがとうございました。




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