第70話

 うーん。

 丸坊主? って、ことは弥生の言った通りに非合法組織の幹部のようだな。

 

 これは……。

 多分……。


 弥生は冤罪の可能性大大大だ!!


 やったぜーーー!!

 

 あ、でも、弥生は交通事故という形で、人を確実に殺害しているんだった?!


 う?!


 うーん……。


 うん!


 非合法組織の幹部だけど、やっぱり罪は罪だよなあ……。


 仕方ないよなあ……。


 あ、そうだ!!


 でも、俺は弥生を絶対助けるって決めたんだ!!


 そうとわかれば早速、弥生を探して合流するぞう!


 でも、どうやって地獄から弥生を助けるんだ?


 いや、助けられるんだ?


 うん。地獄からの脱出法に解脱や転生があったっけ?


 あ、そうか。


 方法はまだあるっていうことか?!

 

 諦めたらそこで方法がもったいないや。


「火端さん? あの。真面目に考え事をしている時になんですが、あそこに、弥生さんがいましたよ。ほら、あそこの坂道のところです」

「うん? ああ。そりゃ良かったぜ」


 弥生は殺風景な坂道のちょうど真ん中にいた。

 大勢の朧気な姿の死者と一緒だから、今まで気がつかなかったのだろうか?


 いや、待て。


 閻魔大王と弥生は何やら話をしていた。けれども、さすがにここからじゃ、何も聞けないや。


「あ! 弥生さんが門をくぐりましたね」


 音星の言う通りに、弥生は閻魔大王との話を終えると門を通って行った。


…………


 閻魔大王がこちらへと来てくれて、弥生とのさっきの話を親切に伝えてくれた。とても忙しい身だと言うのに、俺は閻魔大王に頭が上がらなくなった。


「妹の火端 弥生はその罪悪感から、やはり地獄にいるといいだしたぞ。兄のお前はどうするんだ?」

「え?! 弥生が?!」

「えーっと、火端さん。どうしますか? 私はここまで死者たちを弔うための旅の途中で、その一環でもあるので、一緒にいますが、大事な妹さんのことは決めるのは火端さんですよ」


 そうだよな。

 音星はただの旅の道連れなんだ。

 今まで一緒に旅をしていただけなんだ。


 うーん?


 罪悪感か……。


 このまま地獄へいるのか? それとも地獄から脱出するのか?


 弥生……歩いて行く道を、お前はどちらにしようとしているんだ?

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