第63話 閻魔庁と浄玻璃鏡?

「や、弥生。その男は……誰なんだよ! ああ……わかったぞ! あいつだ!」


 その黒いサングラスの男には、俺は見覚えがあった。弥生が事故を起こした時に同じニュースにでていた男だった。なんでも、非合法グループのリーダーだったようだ。弥生を死に追いやった。冤罪を着せた張本人だ!


 俺は拳を握ると、その男に殴りかかって行った。


 だが、サングラスの男は、俺の拳をあっさり避けてしまった。

 代わりに男のフックが俺の腹を抉っていた。


「ぐほっ! いってーーー!!」


 俺は大叫喚地獄の真っ赤な地面で、転がり込んだ。


「フフフッ……わけわかんねえ。いきなり殴りかかって来やがっって!!」

 

 その次は、サングラスの男が俺の頬をサッカーボールを蹴るように、思いっ切り蹴り飛ばした。


「いってーーー!!」

「やめろ!」


 弥生が俺とサンクスの男の前に、立ちふさがった。

 

「フン! 弥生よ! お前には散々役に立ってもらったけどなあ。こいつは誰なんだ? ひょっとしてお前の彼氏か?」

「違うんだよ! 兄貴だよ!」


 その時、一人の獄卒がこの喧嘩に気がついて、金棒を振り回して襲ってきた。


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