7.【今ではすっかり……】
今ではすっかり履かなくなったクロックス。足の甲に均等に並んだ水玉模様の日焼けが懐かしかった。今やまっさらな自分の足を見て思い出したのだ。
パステルカラーのクロックス──いわゆるサンダルを引っかけて歩く子供を、時折町で見かける。歩くたびにカポカポと踵が浮いている。脱げないためのベルトがあるが、あれをちゃんと付けているとダサいとか、甲の部分に開いた穴に飾りをつけると可愛いだとか、昔は幼いながらに立派にオシャレしていたように思う。
今となっては履こうとすら思わない。あったら楽だが、サンダルなら他にもある。
あの形の日焼けをすることももうないのだろう。
懐かしいと、郷愁にすら似た感覚が足の指先からのぼって、私を飲み込んだ。
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