曲
えっ…?
と思い指を見つめると瀬伶菜が、
「すごいいい曲だよ!」
と大絶賛してくれた。
あぁ…
「あ、ありがとう。」
褒められたことよりも、オレは指に驚いてそれどころじゃなかったのだが、瀬伶菜があんまり喜んでほめてくれたから我に返った。
「これさ、他にもいろいろつくらない?」
と大絶賛かつ、ノリノリの瀬伶菜。
「なんか、なんかわたし…この曲うたったら自信がつくような気がするの。うたいたい」
と言ってくれた。
…
自信か。
そうか、瀬伶菜は自信がなかったのか。
だからあんな前髪をして、あまり人と接しなかったのかな。
「ならさ、いっぱいつくるよ!で、瀬伶菜にうたってもらう!」
「うんっ!」
というわけで、オレは一度指のラメを忘れて曲つくりに没頭したのでありました。
忘れたと言っても…ふいに思い出しめいそう…
そして、また頭の片隅へ…。
…
で、気持ちを入れ替えてっと。
性能のいいピアノは、一度弾くと録音機能があるどころか、楽譜までつくってくれる最高の機械なのだった。
歌詞は、瀬伶菜の日記から。
曲は、その言葉に合わせてどんどんと湧いてくるから不思議だ。
そして、結構な曲ができるとオレはまた瀬伶菜に披露した。
そして、うたってみたいな。ということで曲にあわせてうたう瀬伶菜。
うまっ‼︎
やっぱり瀬伶菜の歌唱力は、半端ない。
一度マイクでうたってみようかってなり、近所のカラオケ屋さんに行こうと瀬伶菜がいってきた。
はいはい、そうなりますよね?
でも、これじゃ二度手間。
実は、家の裏に敷地が余っていたので、オレはこっそり瀬伶菜を驚かせるために、防音室を設置しておいたのです‼︎
オレってば、素晴らしい‼︎
だれも言ってくれないから自画自賛。と思っていたら、瀬伶菜が大感動してくださったのでよかった。
なんなら、す、すごいよぅ‼︎と予想以上の喜びを見せてくれたからとても良かった。
もしかしたら、いらなー…なんて言葉も想定していたから、救われた。
そしてさっそく中へ瀬伶菜をご招待。と言ってもそこまで広くないし、完全に機材そろってるわけでもないんだけどね…。
でも瀬伶菜が喜んでくれるのは、なによりも嬉しいのでございました。
続く。
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