うた
さっそく防音室でうたってくれた瀬伶菜。
そして、瀬伶菜はいつもそんなこと絶対に言わないのだが今日はじめて、
「ねぇ、わたしの歌声この携帯で撮ってくれない?」
と申し出てきた。
え?
珍しい。
まぁ、撮って欲しいといわれたのだから特にことわる理由もなく、撮影開始となった。
何度かとりなおしをしたりしてやけに念入りに頑張っていた瀬伶菜。
無事にとり終わると、瀬伶菜はまさかの
「これ、配信してもいいかな…?」
と聞いてきたじゃないか‼︎
え?
あの、人前が大嫌いな瀬伶菜がまさかの自分のうたを世に配信したいなんて…そんなことが起きるなんて想像もしていなかった。
「え、でもさ…オレは嬉しいけど…瀬伶菜がもしかしたら、この人だれ?みたいになったら、つきとめられたりしちゃうかもしれないよ?大丈夫?」
と聞いてみた。
すると瀬伶菜は、
「うん!大丈夫。わたし強くなりたい‼︎そして恩返しがしたいの!」
とオレを真っ直ぐにみてこたえてくれた。
「うん。それなら配信してみよっか」
というわけで配信することとなった。
はじめは数人みてくれて、いいね!くらいの感じだったんだけど…なんか…なんか日に日に口コミなのかなんなのかわからないけど、どんどん登録者が増えてきた。
そして、どんどん数字が伸びていき…
どうやら大きい音楽会社さんがこの曲を聴いてくださったみたいだ。
ありがたいことに、デビューしませんかとのお話だった。
でもさ、瀬伶菜は…デビューしたら人前に出るわけだし…嫌なんじゃって思ったけど、
「頑張りたい‼︎」
とのことだったので、まさかのデビューが決定してしまった‼︎
なので二曲目も調子に乗って出すことになり、その曲も大人気になるのでありました。
で…
どんどん大人気になるオレたちは、もう音楽関係で食べていける…いや、もう働かなくてもいいくらいの収入になった。
そのころには、大学も卒業間近。
瀬伶菜は、今では大学でも大人気!
デビューするってなってから、前髪も上げて家にいる時の瀬伶菜になった。
話すことも自信がついてだいぶ普通に話す瀬伶菜。
もう、大丈夫かもな。
瀬伶菜は、オレなしでも生きていけそうだ。
これなら、お見合いもしないで彼氏なんかすぐにできてしまうだろう。
まぁ、前髪上げてから速攻で告白されてたっけ。
今のところお断りしてるみたいだけど、きっと時間の問題なんだろうな。
オレは仕事のパートナーになれただけでも幸せだ。
続く。
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