ザダルの黄昏

春野 一輝

第1話 お母さんと青い花と夕焼け

KP:ストシャ大聖堂という教会に二人の親子が椅子に座っています。

  一人はお母さんで、もう一人は6歳ほどの少年です。

  少年の名前はヴァルテルといい、PLである貴方のPCですね。

  教会は礼拝中であり、大人も子供も静かに司祭の話を聞いています。

  貴方の母親も同様で、二人でそろって静かに耳を傾けているところです。

  子供であるヴァルテル にとっては長く、辛い時間かもしれません。


ヴァルテル:足をぶらぶらさせ、落ち着きなくキョロキョロしています。

KP:ヴァルテル君は子供として退屈に思っている方ですかね?

ヴァルテル:そうですね。遊びに行きたいと思っている感じです。


ヴァルテル:「(早く終わらないかなー……)」


KP:なるほど。そんなあなたに幸運な存在が訪れます。


幼馴染のシバ:「おい、おい、ヴァルテル」

       ヴァルテルの後ろの椅子に隠れつつ

       服を引っ張って気を引く子がいます。

      「退屈だろ。抜け出して、遊びに行こうぜっ」

ヴァルテル :一瞬嬉しそうな顔をしますが、

      隣に座っている母親の横顔をちらりと見上げて落胆します。

      「ダメだよ、ほら、母さんもいるから…」

      そう、シバに小声でささやき返します。

幼馴染のシバ:「大丈夫だって。聖歌が歌われたら、

        ひょいっと抜け出しちゃえばいいのさ」

        と、シバは困っているヴァルテルに言ってのけます。


KP:ここで解説です。

  あなたは、過去を見ている状態です。

  このシバと共に抜け出したということになっています。

  どうやって抜け出したかは自由にお任せしますが、色々考えてみてください。


ヴァルテル:では、お母さんに「お腹が痛いから外の厠にいきたい」と言って

      シバと共に抜け出します。


KP:では、お母さんを説得できるかどうか【交渉技能】で

  ダイスを振ってみましょう。

KP:お母さんの信頼を得る【信用】か、説明して納得させる【説得】のどちらかで

  振ることができます。

ヴァルテル(PL):では【信用】で振ります!


【ヴァルテル コロコロ……1D100<=65 出目85 ⇒失敗】


ヴァルテル(PL):失敗しました。

KP:ここでなんですが、プッシュロールというものがありまして。

  もう一回チャンスで振ることができる代わりに

  失敗するとファンブル(大失敗)になるというルールです。


KP:プッシュロールしてみますか?

ヴァルテル(PL):やってみたいです!


KP:ではもう一度どうぞ。


【ヴァルテル コロコロ……1D100<=65 出目36  ⇒ レギュラー成功】


KP:成功しましたね。お母さんの描写をします。

おかあさん:「あら、お腹が痛いの?」

       心配そうにヴァルテルをのぞき込むお母さんがいます。

ヴァルテル:「う、うん。ちょっと行ってくるよ」

      ヴァルテルは幼馴染にくっついて教会の外に出ました。

      お母さんに嘘をついたヴァルテルは

      罪悪感で本当にちょっとしたお腹の痛みを感じたのでした。


幼馴染のシバ:そんなヴァルテルの様子も気にせず、シバは外に出て爽快そうです。

       「よし!いつもの、柱の場所で遊ぼうぜ!」

ヴァルテル:「うん」

      ヴァルテルは頷き、お腹を少しさすって、手を放します。

      「じゃあ、どっちが先につくか競争しよう!」

幼馴染のシバ:「いいぜ!かけっこな!」


KP:では、DEX(素早さ)で振ってみましょう。成功度の高い方が勝ちです。

  成功度は、【技能値】の2分の1でハード成功、5分の1でイクストリームです。

  それ以上は、レギュラー成功か失敗ですね。


【ヴァルテル……コロコロ (DEX)1D100<=60 出目 43  ⇒ レギュラー成功】

【幼馴染のシバ……コロコロ(DEX)1D100<=70 出目 63  ⇒ レギュラー成功】


KP:お互いにレギュラー成功なので、同時に到着しました!

   出目はヴァルテルが43で、シバが63なので、

   ヴァルテル君の方が若干早かったですね。


幼馴染のシバ:「うぉーー!!とうちゃーーーーく!」

ヴァルテル:「やったあ!僕の方がちょっと早かったね!」

幼馴染のシバ:「ううう、ちょっと負けたぁあ!!」

        悔しそうに地面に手をつくシバ君でしたが、

        起き上がってヴァルテルを褒めます。

       「やるな!ヴァルテル!」

KP:このローマ時代からある恥の柱と言われる場所で、

  歴史も知らずにあなたはよくシバ遊んでいます。


幼馴染のシバ:「だが、これは勝てるかな?」

        シバは棒を一本取りだします。


:アイテム木の棒:

とってもいい感じの木の棒。ストレートでたたくと、いい音がしそう!


ヴァルテル:「そんなにいい棒、どこで見つけてきたんだ!?」

       驚きながら羨ましそうな顔をするヴァルテル。

幼馴染のシバ:ふふんと鼻を鳴らすシバ。肩に棒を担ぎます。

       「神父さんちの裏庭に生えてた」

幼馴染のシバ:「ふふふ、うらやましいか。うらやましいだろう

        ……そんなお前に、朗報だ!」

        ばばーんと、もう一本取り出します。

        小ぶりながら、白樺の枝で奇麗な木の棒です。

幼馴染のシバ:「どっちがほしい?」

        にやにやしながら、二つの棒をヴァルテルに見せ、

        くるくると回しながら挑発してます。

ヴァルテル:「ほ、ほんとに一本くれるの?

       ……じゃあ、僕はこっちがいいかな。

       お願い、シバ~~~」と、白樺の棒を指さしてねだります。

KP:お、どっちを選びましたか?

ヴァルテル(PL):白樺のほうです!

幼馴染のシバ:「そう言うと思ったぜ!

       お前には、この太いでかい棒がお似合いだ!」

       といって、白樺ではない方の木の棒を渡します。

       「この白樺の棒が欲しけりゃ

        俺とちゃんばらするんだなぁ~~~~!!!!」

ヴァルテル:「えー、 何だよそれ! 望むところだ、かかってこい!」

      と、ノリノリで構えています。

幼馴染のシバ:「うおおお、いくぜ!!」


KP:ということで、ダメージのない戦闘が始まります。

   戦闘説明です。

   とりあえず、DEXの順番で先攻後攻が決まります。

KP:シバ君が70なので、シバ君が先行ですね。

ヴァルテル(PL):了解です!

KP:受動側は、回避か応戦を選べます。

  とりあえず、こちらが振ってみますね。


KP:3本勝負、二回取った方が勝ち!

KP:開始!


【幼馴染のシバ コロコロ……(近接戦闘:剣技) 1D100<=55 出目23 ⇒ハード成功】


KP:シバ君がハード成功で叩き込んできます。

  回避を選択する場合、ハード成功以上の成功度を出すと回避成功です。

  応戦を選ぶと、ハードより上であるイクストリームを出さないと、成功しません。

KP:回避をお勧めします。

幼馴染のシバ:「うぉー!チャンペラパンアターック!」

ヴァルテル(PL):では、回避を行います!


【ヴァルテル コロコロ……(回避) 1D100<=80 出目 21 ⇒ ハード成功】


KP:さらっと避けましたね。

幼馴染のシバ:「今の攻撃を避けただと!?」

ヴァルテル:「ふふん、そんな大ぶりの攻撃当たらないよ!」

       と、ドヤ顔をしています。


KP:では、ヴァルテル君の手番ですね。

ヴァルテル(PL):近接戦闘を振ります!


【ヴァルテル コロコロ……(近接戦闘)1D100<=70 出目77 ⇒ 失敗】


ヴァルテル(PL):おぅふ…

ヴァルテル:「とりゃーーー!」と、気合だけは立派に棒を振り下ろしました。

幼馴染のシバ:「うぉーーーーー!!」気合いだけで振り下ろした棒を避けました。

ヴァルテル:「くっ、シバもやるじゃないか…!」

幼馴染のシバ:「へ、お前もな……!」


KP:では、2ターン目。シバのターンです。


【幼馴染のシバ コロコロ…… (近接戦闘:剣技) 1D100<=55 出目63 ⇒失敗】


幼馴染のシバ:「ぬぉおおおお!!」 ぶんぶんぶん!

        振り回してるだけですね

ヴァルテル(PL):では、応戦します!


【ヴァルテル コロコロ……(近接戦闘:剣技) 1D100<=70  出目72 ⇒ 失敗】


ヴァルテル(PL):あ、ダメだぁ…

ヴァルテル:「とうとう!」と、

      全然届かない所でこっちも棒をぶんぶんしています。

KP:互いの剣が交錯しないまま、

  ぶんぶん振り回すだけのチャンバラが繰り広げられています……

ヴァルテル(PL):多分二人とも目つぶってますね……。


KP:では、ヴァルテル君の手番です。


【ヴァルテル コロコロ……(近接戦闘:剣技)1D100<=70 出目66 ⇒ レギュラー成功】


幼馴染のシバ:応戦するぜ!


【幼馴染のシバ コロコロ……(近接戦闘:剣技) 1D100<=55 出目76⇒ 失敗】


KP:命中しました!

ヴァルテル:「そこだー!」と、棒を振り下ろします!

幼馴染のシバ:「ふぎゃー!」 ぱこーんと、頭に一発食らいます。

       「俺に……俺に……一発入れたな……?」

KP:不敵な笑みを浮かべるシバを置いておいて、3ターン目のシバのターンです。

幼馴染のシバ:「ヴァルテル見てろ!俺の必殺技、クルクルボーン!を!」

        彼は突然柱を背にしながら、横歩きでカサカサ移動します。

       「これで、俺の背後は取れない!どこからでも着やがれ~!」

ヴァルテル:「ク、クルクルボーンだって…!? 次も一発入れてやるからなー!」と

       闘志をメラメラ燃やしています。

KP:なんと!

  これでシバの剣技に+20されます。恐ろしいですね。クルクルボーン。


ヴァルテル(PL):なんという必殺技…!

KP:何かヴァルテル君も工夫していいのですよ?

ヴァルテル:では、ヴァルテルはその辺に落ちていた大してかっこよくない棒を

      拾って……「それなら僕は二刀流だ!」と

      両手にそれぞれ構えてみます。

幼馴染のシバ:「二刀流!?いや、その必殺名はなんだ!

       俺は名無しには負けねえ!」

ヴァルテル:「ダブルブンブンスーパーアタックだ!」と胸をはっています。

幼馴染のシバ:「長ぇえええ!!!!つよそぉおおおお!」

       髪の毛を靡かせて「ふ、こいよ……」とシバは挑みます。


KP:ヴァルテル君に吉報です

  KPから、+1のRPボーナスが与えられます。

  CC(+1)といれて、数値も入れて振ってください。


ヴァルテル:PL:やったー!了解です。


KP:ついでに、シバ君は柱から動けません。

  つまり、自動的に接近されないと、後攻になってますね。

ヴァルテル(PL):なるほど、わかりました!

         では、こちらから近づいたということで

         近接を振らせていただきますね。

KP:はい、どうぞー。


【ヴァルテル コロコロ……(近接戦闘:剣技) 1D100<=70 ボーナスダイス1個⇒61, 81⇒ 出目61 ⇒レギュラー成功】


幼馴染のシバ:応戦するぜ!

ヴァルテル:「くらえ、シバー!」と勇ましい声を上げつつ、

      柱にくっついているシバ君に突進します。

幼馴染のシバ:「間合いに入ってくるとは!しれたやつよ!

        クルクルボーン!!!!」


【幼馴染のシバ コロコロ……(近接戦闘:剣技) 1D100<=75 60 ⇒ レギュラー成功】


ヴァルテル(PL):すごい接戦だ!

KP:しかし、一手ヴァルテルの方が上でした。

  勝利演出どうぞ。


ヴァルテル:「クルクルボーン、破れたり!」

      シバ君の頭にぽかーんともう一発入れて、高らかに宣言します!

幼馴染のシバ:「これが、ダブルブンブンスーパーアタックか……がく」

       膝をついて、敗北を認めます。

ヴァルテル:「約束通り、伝説の剣は僕がもらうよ!」

      と、勝手に伝説認定してニコニコと手を差し出します。

幼馴染のシバ:「ああ、お前にやるよ。白き乙女から授かった、

       この伝説の剣をな」と、白樺の棒をヴァルテルに渡します。

ヴァルテル:「やったあ!ありがとう、シバ!」

      と、嬉しそうにそれをズボンのベルトに突っ込みます。

幼馴染のシバ:「へへへ……」シバはうれしそうです。


KP:貴方たちが遊びに夢中になっていると、鐘の音が遠くからゴーンゴーンと

  鳴っているのが分かります。夕刻を知らせる鐘の音です。

  日が傾き、だんだんと夕闇が近づいてきているようでした。

ヴァルテル:「あっ…そうだ、お母さん!」

      ヴァルテルは、はっとした顔をして空を見上げます。

おかあさん:「ヴァルテルー? ヴァルテルー?」

       お母さんが探す声が聞こえます。

ヴァルテル:「うわわわ……!

       シバ、僕そろそろ帰らないとだ。

       ……怒られちゃうかなあ……」と眉を下げつつ

       母親の声がする方を見ます。

幼馴染のシバ:ぴりっとなって「俺が負けたんだ。俺が一緒に行って、謝るよ!」

      「だから、びしっとしてくれよ、伝説の剣の騎士様?」

ヴァルテル:「うん、ありがとう」


ヴァルテル:「……よしっ……。」


ヴァルテル:「お母さーん!」

おかあさん:お母さんは振り向いて「ああ! そこにいたのね」と喜びます。

      「探したのよ。怪我はない? どうしてたの?」

幼馴染のシバ:「すみません、俺が遊びに誘いました」

        ぺこりと頭をお母さんに下げる。

ヴァルテル:「僕もついていっちゃったんだ。ごめんなさい、お母さん」

おかあさん:優しく微笑んで「いいのよ、二人とも無事だったのなら」と許します。

     「さあ、帰りましょう。ヴァルテル、シバ君にお別れの挨拶して?」

ヴァルテル:「うん!……シバ、また明日な! これ、大事にするよ」

      と、白樺の枝の柄らしい所を大切そうに撫でて

      幼馴染に手を振ります。

幼馴染のシバ:「ああ! また遊ぼうぜ!」

       シバは大きく手を振って貴方を見送ってくれます

おかあさん:「シバ君、ありがとう。また明日……

       行きましょう?ヴァルテル」

ヴァルテル:「うん。お腹すいたなあ……」と言いながら

      お母さんの手を取ります。


 ヴァルテルは母と手をつなぎながら、帰路につきます。

 大きな母の影とヴァルテルの影が、夕日に照らされて長い影を作ります。

 後ろで恥の柱とシバが、ずっとずっと二人を見送っていました……。


KP : ヴァルテル、貴方はお母さんと共に家に帰ってきました。

  生垣から庭が見え、そこにはヴァルテルの好きな青い花が咲いています。

  青い花に囲まれた中に、教会の聖なる世界とは違った

  妖しい異教の香りがする大理石の霊廟がありました。


おかあさん : 「おかあさん、ご飯前にお祈りがしたいわ。

       霊廟に寄って行ってもいいかしら?」

ヴァルテル : 「うん。僕もいっしょに行くよ」と素直に頷きます。

おかあさん : 「そう、じゃあ、一緒に行きましょうね」 

      にこやかにほほ笑むと、霊廟へと歩き出します。


KP : 青い花畑の中を歩いて霊廟の前に来ると、

  お母さんは懐から鍵を取り出して差し込みます。

  貴方はその鍵が印象に残ります――黄昏色の、美しい鍵でした。

   ガチャリ、と鍵が開く音と、大理石の扉がひきずられて開きます。


(PLがメモを取る):『黄昏色の、美しい鍵(生家の霊廟の鍵)』


KP : 霊廟の中は静寂そのもので、立ち並ぶ石碑には先祖の名前が刻まれています。

   お母さんは先祖の石碑の前に出て、跪きます。そして、あなたを手招きします。

ヴァルテル : 「……」静けさに圧倒されて、なんとなく息をひそめます。

      足音を殺しながら母親の隣へ跪きます。

おかあさん : お母さんは静かに目を閉じて、手を合わせて祈ります。


KP : ヴァルテル君も祈りますか?

ヴァルテル : はい。母親の横顔を見てから、同じように真似をして手を合わせます。

KP : 何を祈りましょうか。

ヴァルテル : (明日も明後日もしあさっても、

      おかあさんのご飯を食べてシバと遊べる日が続きますように)

      と、祈ります

KP : そんな祈りとともに、静かな時間が流れていきます。

  ふと、祈り終わると。お母さんが微笑んでこっちを見ているのに気づきます。

おかあさん : 「帰りましょうか」

ヴァルテル : 「うん。今日のごはんはなーに?」

      と、少し照れながらおかあさんの手を握ります。

おかあさん : 「貝と魚のシチューよ。あなたは好きだったかしら?」

ヴァルテル : 「やったあ!早く帰ろう、おかあさん!」

おかあさん : 「ふふ、そうね」

KP : 貴方はお母さんの手を引いて、外に出ます。

KP : 霊廟を抜けると……


  潮風が花畑を揺らし、夕日が暮れていくのがわかります。黄昏色と、あなたの好きな澄んだ青い花が広がり、世界を2色に染め上げています。

 美しい、美しい、でもどこか切なくなるような光景でした。

 貴方はそんな二色の世界を、お母さんと手をつないで帰路につきます。


KP : それが、あなたが最後に見た、幸せな日々の色でした…。


……

………


KP : あなたは今、自身の子供部屋にいます。ふと嫌な予感がして、夜に目が覚めてしまいました。周りを見渡しますが、部屋に異常はありません。

KP : 聞き耳をどうぞ。


【ヴァルテル コロコロ……(聞き耳) 1D100<=60 ⇒ 出目14 ⇒ハード成功】


KP : 焦げ臭いにおいと、鐘がしきりに鳴り響いている音が聞こえます。

ヴァルテル : 「なに……」

      若干寝ぼけながらもベッドから降り、母親の姿を探しに向かいます。

KP : 部屋は真っ暗で、ドアが奥の方で見えないほどです。


KP : 探索できる箇所を説明します。

  窓の隙間から赤い光が漏れており、机の上には点いてないランプがあります。

  PC は以下を調べることができます。


『探索できる箇所』

①ほの明るい窓

②机の上のランプ


ヴァルテル (PL):では、まず①の窓の外を見に行きます。

KP : 窓の外を見ると、燃える街の屋根と、逃げ惑う人々の影が見えます。

ヴァルテル : 「……!? た、大変だ……!」

      そのまま部屋の外へ走り出そうとしますが、

      真っ暗で何も見えないので、②のランプを調べます。

KP : ランプは難なく点けられそうです。

ヴァルテル : そのランプは手にとって持っていけそうですか?

KP : シャッターもついている便利なランプです。持っていけますよ。

ヴァルテル : では、ランプに火をつけて持っていこうとします。

KP : ランプで照らされると、部屋の中にあるタンスとドアが見えます。

  そのまま外にでますか?それとも、タンスを調べてみますか?

ヴァルテル : タンスを調べてみます。

KP : 目星をどうぞ


【ヴァルテル コロコロ……(目星) 1D100<=65 ⇒出目38 ⇒レギュラー成功】


KP : では、ロープとあなたが今日遊んでいた白樺の棒が見つかります。

  何かに使えそうですね。

ヴァルテル : ロープを腰に手早く巻き、

      白樺の枝とランプをもって部屋の外にでようとします。

KP : 出ようとすると、お母さんと鉢合わせになります。


おかあさん : 「ヴァルテル! ああ、よかった無事で!」

ヴァルテル : 「おかあさん!大変だよ!町が燃えているんだ!」

おかあさん : 「わかってるわ、ヴァルテル。でも今は急ぎましょう」

ヴァルテル : 「う、うん。こわいよ、おかあさん……」


 おかあさんが怖がるヴァルテルを抱きかかえた時。

 ドアの向こうから兵隊が迫る軍靴の走る音がします。

「いたぞ!この部屋だ!」

 ドアが破られ、兵隊がヴァルテルの子供部屋に入ってきます。お母さんは兵隊から逃れるため、決死の覚悟でヴァルテルを抱きかかえたまま、窓の外に身を投じました。


ガサガサガサ!


 と、木の破片が体を鞭打つような音がし。

 おかあさんのスカートの裾を破けさせながら、屋敷の外の木の下に落下しました。

「逃げた!下だー!」

 兵隊が上から下の兵隊の方に命令を出している声が聞こえます。


ヴァルテル : 兵隊たちからランプの明かりを察知されないように、

      ランプのシャッターを下ろして、

      明かりを見えなくすることはできますか?

KP : できます。

ヴァルテル : では、ランプのシャッターを下ろします。

おかあさん : 「ヴァルテル。しっかり、気を持ってね……」

      お母さんはヴァルテルを持って、裏庭へと走っていきます。

      遠くの方で、人々の叫び声や馬の走る音がヴァルテルに聞こえました。

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