第19話 恋人以上、恋人未満の関係
ファッションショーの翌週。
今日は12月24日。クリスマスイブだ。
とは言っても特に予定は無い。
綾花からも返事らしい返事は返ってこないし、本当に自分のことが好きなのかという疑問が浮かぶ。
「ねぇ? 綾花? 明日暇?」
「明日はネッ友とゲームやるから忙しー」
「そっか……」
そう言って悲しそうな表情をする風花。
綾花はその顔を見て今日の日にちを思い出した。
「ん? 明日って25日?」
「うん……」
「そういう事か、いいよ? デート行こ?」
「でもゲームは?」
「また今度にしてもらうから大丈夫」
「ありがとう……」
風花は目元に涙を浮かべた。
どんどん綾花のことが好きになっていく。
好きって感情に溺れ、酔いしれていく。
そしてそんな感情に気づかれないためすぐに部屋を出ていった。
その時の綾花の表情を見ることもなく……
・ ・ ・
すぐさま部屋から逃げ出した風花は自分の部屋にこもっていた。
「明日どんな服着ようかな……」
そう小さく呟きながら服を選ぶ。
そうすること30分。
「よし、これにしよ……」
ついに服が決まった。
服が決まったら次はカバンだ。
どれを使うのか……
「迷う……」
そうして20分。カバンが決まった。
次にすることは……
プレゼントのラッピングだ。
プレゼントは事前に購入しておいたのであとはラッピングするだけでいい。
ただ……風花は不器用である……なので……
「ラッピング難しすぎない……?」
そう言いながら苦戦すること50分。ついにラッピングが終わった。
準備万端だと思っていたら……
「もうちょっとデートコース探そかな」
まだだった。
現在時刻21:45。
・ ・ ・
あれからしばらく時間がたった。
「ふぅ、結構調べたし完璧でしょ! 今日は明日に備えて早めに寝ておこうかな!」
風花はそう言って時計を見た。
「え……4:30……?」
風花は約7時間も調べていた。これでは今から寝ても早く寝たとは言えない……
「もういいや、もうちょっと調べよ……」
もう寝ない覚悟の風花だった。
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