深夜2時、引きこもりの弟がTSしてた。

龍花

第1話 ガキはさっさと寝ろぉ……

私? 水瀬風花みなせふうか(17)。

現在時刻深夜2時。バイト終わって勉強してたらこんな時間に……

そろそろ寝ようと思い布団の中でうとうとしていたところで、扉をノックする音が響く。


(はぁ、綾人……早く寝ろよ……つーか起きてても私まで起こすなよ……)


と面倒くさがりながらも起き上がる。

ちなみに綾人は風花の弟である。 水瀬綾人みなせあやと(13)

絶賛不登校中である。理由はサボり。


「ねーちゃーん! 早く!」

「はいはい、今起きたから待てってー」


だるそうに叫ぶも違和感を覚える。


(今の声……綾人じゃない……?)


内心焦りを感じつつも顔には出さずに扉を開けた。


「姉ちゃん! 俺、綾人だよ!」

「いや、どう見ても違うでしょ、誰?」

(何この子? 初めて見た子なんだけど、てか可愛すぎね?)

「俺だって! 綾人だって!」

「いやどう見ても綾人じゃないじゃん、性別も違うし」

「姉ちゃんのバカ! 見たら分かるやん! 俺だって! 綾人だって!」

「んじゃ、綾人しか知らんこと言ってみて?」

「姉ちゃんは、ベッドの下にBL漫画隠してる!」

「な、なんで……その事を……知っている……」

「だから俺が綾人やからや!」

「いや、綾人でも知らんわ!」


そんなこんなで会話をした。

最後は風花が認めた。


「まあ綾人って事は分かったけど……何があってそうなった?」


話がめちゃくちゃ長かったので割愛、要約すると


ゲームでキャラメイクをしてたら画面が急に真っ白に光って自分にそのキャラが適応されていたと、こういうことらしい。

いやー、通りでこんな美少女に……いや? 幼女? ギリ少女か?

なんせめっちゃロリだ。おい綾人、あんたの性癖が思いっきり晒されてるぞ。


「にしても憎たらしかったあんたがこんな可愛い美少女にねー?」

「姉ちゃん……俺一生このままだったらどうしよう…………」


涙を浮かべ抱きついてくる。それに上目遣い……そりゃ可愛いだろ。反則だ。

んー、本音を言えば戻って欲しくは無い。

こんな可愛い妹がいるのだから。


「大丈夫きっと何とかなるよ」

(そう、きっと何とかなる、このままでも……)

「ほんと……?」

「うん、ほんとだよ」


こうして少々罪悪感を覚えつつも綾人を慰める風花だった。


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