私の見え方
〇〇
雨が降る
雨、雨、雨。
雨が降る。
雨戸に打ち付ける。強く。
海の向こうから大男が、荒々しく
私に向かって進んでくる。
光の矢を空で弾けさせ
茂った葉を落とし、コンクリートを劣化させ
優しい川を人喰いの化け物に変える。
雨、それは記憶と循環
誰かが誰かを想って流した涙
沢山の大切な人を殺した水
そんな悲しみに喘ぐ涙
それら全てが形を変えたのが、雨。
時々怖くなる。
いつかは私がこの世界において
ただの雨粒一つ程度の存在だと知ることを。
そして同時に記憶する。
私は皆であり、
皆も私だってことを。
雨、雨、雨。
依然、雨が降る。
雨戸に打ち付ける。強く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます