私の見え方

鍛治谷 彗

雨が降る

雨、雨、雨。

雨が降る。

雨戸に打ち付ける。強く。

海の向こうから大男が、荒々しく

私に向かって進んでくる。

光の矢を空で弾けさせ

茂った葉を落とし、コンクリートを劣化させ

優しい川を人喰いの化け物に変える。


雨、それは記憶と循環

誰かが誰かを想って流した涙

沢山の大切な人を殺した水

そんな悲しみに喘ぐ涙

それら全てが形を変えたのが、雨。


時々怖くなる。

いつかは私がこの世界において

ただの雨粒一つ程度の存在だと知ることを。


そして同時に記憶する。

私は皆であり、

皆も私だってことを。


雨、雨、雨。

依然、雨が降る。

雨戸に打ち付ける。強く。

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