衝撃の事実

僕は夕食を食べ終わった後急いで部屋に戻りお風呂を終えた。

やっと秘密が聴ける。

不安と好奇心を胸に抱いて、父上の部屋に向かった。









「よく来たわ、そこに座りなさい。」

父上の部屋なのになぜか母上もいた。

僕は母上に言われた通り父上と母上の席の前に座った。

「心の準備はできているわね?」

「はい。」

僕は即答で答える。

「では、話すわ。5年前の出来事を・・・・・・・・・」








あなたがまだ5歳の頃の話なのだけれど、私たちが仕事で忙しくて面倒を見切れないときは宰相のモーガンに子守を頼んでいたの。

モーガンは頭も良くてよく王宮に尽くしてくれていたから私たちも信頼していたわ。

ところがある日、レイを連れて行方をくらましたの。

私たちは王宮中を探した、けれどあなたは見つからなかった。

もう無理だと諦めたときに預言者が言ったわ。

「王女は王宮の地下にいます」って。

私たちはダメもとで探しに行った。

そしたら預言者の言う通りあなたがいたの。

レイ、あなたは背中に大きな切り傷を負って。

大急ぎで処置を施したから命に別状はなかったけれど大きな傷跡が残ってしまった。

治せるのなら治したかったけれど聖教の聖女でも無理だったわ。

聖女様いわく呪いがかかってたらしい。

だから私たちは傷跡を隠すことにしたの。

傷跡を見て連れ去られた時の恐怖や不安を思いでして欲しくなかったから。

あなたにその銀の指輪を肌身離さずつけなさいと言ったでしょう。

それは隠蔽の魔法が付与された魔道具なの。

それを付けている限りあなたの背中の傷跡は見えないわ。

私たちはあなたが助かったことを本当に喜んだわ。

あなたもだいぶ良くなってきたころにモーガンが見つかったの。

私たちはモーガンになぜレイを連れて行ったか理由を問い詰めたわ。

するとモーガンは簡単に白状したの。

「魔王様を復活させるためだ。」

私たちはモーガンが何を言っているのかが分からなかったわ。

「この小娘の左目には魔王様が封印されている。俺はそのために小娘をさらった。魔王様万歳!!」

そう言い張るモーガンはどこかいびつな形をした化け物に見えた。

傷跡のこともモーガンの言葉も気掛かりだし、なによりレイのことが心配だったからいずれ嫁に出さなければならない王女ではなく、この国にとどまれる王子ということにしたの。

魔法であなたの物心がついた時からの記憶を消して変わりに王子として育ったという記憶にすり替えたわ。

やってはなことだというのはわかってる、人の記憶をいじるなんて・・・・・・

けど、あなたの安全のほうが私たちにとっては大切だから。

・・・・・・・・・・・申し訳ないことをしたわ。

ごめんなさい。










一通り話し終わった後、母上と父上は僕に頭を下げた。

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