兄の登場

うん、そろそろ夜になるかなぁ。

辺りが暗くなってきたので僕は部屋に帰ることにした。

僕が部屋に帰るとメイドのイアンが夕食のお時間です、と伝えに来てくれた。

僕は彼女に礼を伝え食卓へ向かった。





食卓に着き自分の席に座る。

僕の席は机を真正面から見て右側の二番目の席だ。

一番上座の席には父上と母上が向かい合わせに座っている。

そして僕の前にはギルバート・ディ・ウィリアム、この国の第一王子いわゆる兄が座っている。

兄は僕と同じ金色の髪だ。

背丈もあまり変わらない。

まぁ、二歳しか変わらないからね。

僕と兄が違うところは瞳の色くらいだろうか。

僕は右目は金色で左目は銀色だ。

兄は両方とも金色だ。

ちなみに僕と兄との関係は最悪だ。

仲が悪いどころの話じゃなく互いに互いを存在しないものと扱っている。

どうしてこうなったかはまだ機会があれば話すね。

「では、命に感謝を。」

「「「命に感謝を」」」

父上の後に僕と兄と母上が続いて食べる前の感謝の儀をする。

感謝の儀が終わり僕らは食事を始めた。

「そうだ、ギルくんのほうは学院はどうなの?」

そう母上は兄に聞いた。

「ぼちぼちですね。成績も一位はキープしていますし、模擬戦でも負けはないです。ただ、魔術のほうでは一位ではなく二位でした。」

兄は淡々とした様子で答えた。

僕は認めたくないが兄はとても優秀だ。

みんなから神童などとも言われている。

「そう、ちゃんとしているようでよかったわ。」

「ギ―ーーーくん凄い!!さすが!」

父上が兄のところに移動して、兄の頭をなでた。

「いやぁ、ギルくんは凄いね~」

兄は父上に褒められて嬉しそうにほほを緩める。

そんなこんなで家族との夕食が終わった。













今日もアンナの料理は本当においしかった。







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