平凡な女子中学生が王子様に転生しちゃいました

旅好き

前世の私

「おい、北田。その制服はなんだ。」

私が正門をくぐろうとすると生徒指導の古林先生が私を止めた。

「別に、普通じゃないですか」

そうは言うがスカートは膝上、ブレザーは気崩してポロシャツのボタンは空いている。そんな私が言っても説得力はないだろう。

「放課後、生徒指導室に来るように。」

ああ、またか。

一気に足取りが重くなった私はズルズルとクラスヘ向かった。

「南おはよう~」

少し暗い声色で南にあいさつをする。

「おは~、理都!」

南は明るい声であいさつを返してくれた。

「どうしたの?暗い顔してるけど。」

「いやぁ、朝から古林に放課後に指導室に来るようにいわれちゃってさ~」

「うわぁ~、それはご愁傷様~」

うぅ、ほんとにいやすぎる。

キーンコーン、カーンコーン

「あ、チャイムなったから席戻るわ~」

「うん、バイバイ~」

私は窓際の一番後ろにある自分の席に戻っていった。

それが人生最後に見た親友の顔だった。

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