第11話
父様がそう言うと、続いて母樣達も次々に祝いの言葉を口にした。
「誕生日おめでとう。レイヒ」
『誕生日おめでとうございます!姉樣』
「誕生日おめでとうございます。レイヒお嬢様」
家族のあとに、やっと言えたというような表情でクラウスも祝いの言葉をいってくれた。そんな皆に私は、満面の笑みを浮かべてお礼を言った。
「ありがとうございます。父様、母様、ハミル、レミル、クラウス。私はこの家に生まれることができて幸せです」
私の言葉に、父様と母様は少し涙を浮かべて微笑み、弟達は私の所まで駆けてきて両側から抱きついてきて、クラウスは優しい笑みを浮かべた。
暫く、私と弟達が戯れている姿を目に焼き付けるように見ていた父様が、いよいよ本題を切り出した。
「レイヒ。今日でお前は五歳だ。この国では、五歳の誕生日に魔力測定を行うことになっていることは、一週間前に話しておいたな?」
「はい、父様。一週間前から楽しみで仕方がありませんでした。」
父様の言葉に、笑いながらそう言ったものの、実際は楽しみ半分・不安半分で、落ち着かなかった。どんな結果でもこの家族は愛してくれるだろうが、世間はどうだろう?
自分でも五歳児にしては異常なんじゃないかと思った魔力量だ。化け物扱いされないだろうか?そんな不安はあるが、この優しい家族にあまり隠し事はしたくない。だから、例え事前に自分の魔力量が分かったとしても隠さないつもりだ。
そんなことを考えていると、父様が今日の予定を話始めた。
「魔力測定は午後からだ。午前中はゆっくりしているといい。昼食の一時間後
私の部屋で測定するからクラウスを呼びにいかせるよ。」
「はい。父様」
私が返事をすると、満足げに頷いて父様は自室へと帰っていった。それに続いて母様も退出すると、私達も自分の部屋へそれぞれ戻っていった。
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