私だけのワンダーランド
花園眠莉
私だけのワンダーランド
少女は今日も一人ノートを開く。そこには少女の住む理想の世界があった。そこの住民は皆、少女を慕い敬う。
今日も皆とティーパーティー。少女の思うがままの楽園で幸せな夢を見る。彼女にとって現実の辛いことを忘れられる素敵な素敵な場所だった。望めば全て願いが叶う。
毎日毎日ページをめくる。少女は今日も皆とティーパーティー。都合の良い世界はゆっくりと歪んでいく。そんなことは少女以外、皆気づいてる。
今日も皆とティーパーティー。少し味の違う紅茶。どうやら茶葉が違うらしい。とろりとした紅茶を飲み干したけどまだここにいたい。
永遠にいたいと願うほど心地の良い世界。現実なんて消えてしまえと願ってしまう。
今日も皆とティーパーティー。何故かいつもと違う様子。住民から冷ややかな視線を感じる。紅茶はどろりと黒く濁り温度を感じない。おかしい、少女は何度も修正をする。けれども何も変わらない。悲しい言葉が少女に飛ぶも誰も救うことはない。
ああ、もうここは少女の望む世界ではない。神が残したのは現実だけだった。
私だけのワンダーランド 花園眠莉 @0726
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