第4話 大賢者、崇められる
「――ここが、学園都市クリスタリアか」
『
途中、馬車を追い抜いて馬を驚かせてしまったりもしたが私はクリスタリアの街に問題なく到着した。
普通にこの少年の足で歩いていたら山を下ることも難しかっただろう。
道中はモンスターも居た。
野垂れ死んでも構わない……そんなつもりでラティスを家から追放したということがよく分かった。
(まぁ、学園に通っていればあの者たちともまたいずれ会うことになるだろうな)
街を歩きながら周囲を見渡すと、冒険者ギルドに武器や防具の店。
大した活気だ、もうすでに山奥に1人で籠りたくなってくる。
もともと、人付き合いは得意ではない。
しかし、見聞を広げなくては。
この少年のように魔法学が人々を不幸にしているのであれば是正しなければならない。
魔法とは、楽しいモノなのだから。
そして……街の北部には立派な魔法学校が建てられているのが見えた。
あれがクリスタリア魔法学校か……。
何だか見覚えがある気がする。
そんな風に思っていると、街の中央部に人々が集まっていた。
みな、嬉しそうな表情で口々に話をしている。
「奇跡だ! コルネリア様が我らを守ってくださった!」
「あぁ、あのおぞましき黒龍の群れ!」
「この街の騎士団達でも手に負えず、もう終わりかと絶望した!」
「しかし、突如奴らを貫いた光の矢!」
「きっと、コルネリア様が再び我らを救ってくださったのだ!」
そう言って、人々は銅像に祈りを捧げていた。
若いころの私――コルネリア・グレウスの銅像に。
……そうだ、思い出した。
学園都市クリスタリア。
この街は魔王討伐の旅の途中で私が救った街だ。
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