辺境の砂漠に追放されましたが麻薬栽培と前世の知識を使って世界征服します

第1話 砂漠へlet's go!

「というわけで今回は食料になる農作物の栽培禁止、海軍の所持禁止の縛りの中で辺境の砂漠国家を兵士数世界一、GDP世界一、国土面積世界一を達成、無事『称号：砂漠の巨人』をゲットしたよ。」

「それにしても、隣国の国民を麻薬漬けにして兵士として運用するとか・・・鬼畜の所業だったぜ・・・」

「まあ、称号獲得だけだったらそこまでする必要はないんだけど、今回は究極の縛りプレイを目指したからね。」

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「ふー、これでようやく完成してよかったわぁー。」

そういって目の下にクマをつくっているのは、何を隠そうこの俺、石田和彦だ。

この古風な名前は俺が生まれる前に死んだ叔父の名と全く同じらしく、両親ともに仲が良かったとか何とかでこの名前にしたらしい。

そんな俺だが、就活に失敗して大学を卒業するまでに就職先が決まらず、父は公務員で母は専業主婦というよくある過程であったこともあってコネがなく、その上その時趣味で動画投稿していた人工音声のゲーム実況チャンネルの動画が偶然バズったこともあって、無事インフルエンサーとして生計を立てていた。

最近は選択した国の内政や外交を操作して戦争や経済を操るゲーム「heat of war 4」略してhaw4にはまっていて、最近は普通のプレイにも飽きて縛りプレイヤーのために用意された称号攻略プレイをしている。

今日あげるための動画を編集し終えた俺は、今度は次の動画のために、遊牧民族で世界征服プレイをしようとしていたのだが・・・

「ダメだなこりゃあ、、、」

発生確率が2％未満とも言われている『遊牧民族の襲撃』イベントが発生してしまい、辛うじて撃退には成功したものの、人口が10分の1までに減少してしまったのだ。

称号を獲得するにはセーブが出来ない巨人モードを選択する必要があり、今回はそれを選択していたので、リセットをした。

こういう時は素直に諦めるに限る。

逆に意地をはってプレイを続行した日には目標を達成しても取り高が少ない映像が撮れてしまう。

そんなことを思いながらゲームを見ているとゲーム画面にこんな表示がされていた。

『国王からの依頼　達成条件：国を存続させて、世界を征服する　選択肢：了解　拒否』

「ん？リセットしてからリスタートしてないはずなんだけど・・・バグかな？まあ取り敢えず了解を押しとくか。」

そうしてマウスカーソルを了解のほうへ持っていきクリックしたその瞬間に、俺の体は二度としないと心に決めたヴォッカの一気飲みをした時のようにぐったりとして、そのまま俺の意識は白い光の中に包まれていった。