食べて美味しかったもの

１

　ラーメンが美味しかった。

　地元の駅近くにあるラーメン店、昔からよく連れられて行っていた場所。

　今になっても昔と同じ味が出てくることがとても嬉しい。

　店内に入り、食券を買う。

　いつものラーメン中サイズを選んで、少し悩んでからチャーシューのしっぽも買う。

　チャーシューの端の部分だと思うけれど、価格の安さに反して美味しいので最近はつい買ってしまう。

　混みあう時間帯から少しずらした筈なのに、店内は満席で少し待つ必要があった。

　待つ間、ずっとスープの良い匂いが漂ってきて食欲を刺激される。

　しばらくして席が空いて案内される。

　座りながら食券を渡す。

　その時に店員さんに「麺固め、味濃いめ」と注文した。

　私は食べるのが遅いから、ふやけてしまうのを抑えるための麺固め。

　それとしょっぱい方が好きだからという理由での味濃いめだ。

　出来上がりを待つ時間は、いつ来ても期待で胸がいっぱいになる。

　給水器から水を持ってきて、それほど待たずにラーメンが提供された。

　濃い目の透き通った色のスープに、ネギと細めの縮れた麺、その上に乗ったメンマとチャーシュー、しっぽも３つ入っている。

　箸を割って、麵を解しながら食べる。

　やっぱりおいしい。

　鼻と舌を埋め尽くすほどに濃い、しかし臭みの無い煮干しの旨味が脳に刺さる。

　いくらでも食べ進められる。

　メンマがアクセントになって飽きが来ない。

　チャーシューも味が染みていて柔らかく食べやすいが、やはりしっぽが美味しい。

　普通のチャーシューはよく見る平たい切り方だが、しっぽは角切りのような形になっていて歯応えがある。

　中サイズは２玉、それにトッピングもしていたというのにいつの間にか食べきっていた。

　さらにはスープまで飲んでしまった。

　ごちそうさまでしたと言って、退店する。

　何度行っても飽きることがない、きっと近いうちにまた行くだろう。