第6話 アイドル先輩、天使すぎる

 先輩とは途中で別れ、帰宅。

 自分の部屋に戻り、スマホを覗くとYabeeトップニュースに『白石 古都音』に関するニュースが飛び交っていた。


・トップアイドル白石 古都音が爆発的な人気を博す!

・公式YooTubeで再生数一億再生突破!

・アニメのオープニングにも起用決定!

・マイッターのフォロワー数が百万人を突破!

・テックトックでランキング一位、超弩級アイドル現る!


 などなど、先輩の名が次々にニュースとなっていた。まてまて……先輩ってこんなに凄い人だったのかよ。

 現役アイドルのは知っているし、学校でも人気なのは知ってる。

 でも、ここまでとは思いもしなかった。

 そんな先輩と俺が親密な関係にあるとか、なんか優越感。


 最高の気分になりながら、俺はベッドに横たわった。


 ……先輩、今頃なにをしているのかな。


 気になる。

 とても気になる。


 そんな恋する乙女のように気になっていると、スマホが鳴った。


 この通知は先輩からだ。


 画面を見ると『白石 古都音』の文字が。

 光の速さで俺はメッセージを表示。



 古都音:今、お風呂入ってる



 ……!?


 先輩、俺の心を読んだ!?



 黒井:ど、どういう意味ですか……

 古都音:わたしのこと、気になってるかなって

 黒井:……そ、そうですよ。悪いですかっ

 古都音:ううん、いいよ。それより、動画どうかな


 黒井:まだまだ伸びていますよ。けど、Yabeeのニュースの方が凄いですよ。先輩、本当にこんなえっちな動画上げてる場合じゃないっすよ


 古都音:いいのいいの。黒井くんのこと信じてるから



 そう言われて俺はジンときた。

 先輩を失望させないためにも、俺はがんばらないと。


 それから先輩からメッセージは来なかった。きっと忙しいのだろう。そんな中で俺なんかを相手してくれるとか天使でしかない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る