重罪

逃犯

17話 殺し屋は神の視線を浴びない

昔私がキプトと言った場所。

そここそが【天国】であり、地獄である。


そして、私の墓でもある。


キプトの両親の墓でもある。



キプトの両親も、キプトと同じ道を辿り、死に至った。


キプトは、人類を犠牲にしたが。



他にも違いがある。


冷たい視線を浴びたかどうか。



キプトは、浴びていない。


奴の性癖ゆえだ。


「JCを犯したいんだっ‼︎」


って、奴は言っていたっけ。



世界の悪いところをたくさん見て、私はその意味を理解した。



納得はしていないが。



「前より弱くなってて、勝てる?私たち」


キプトの問いは正しい。でも、間違っている。


「今は…」


「ん?」


「今回は、私がいる。私も、戦える」


前回は、ただただ見ているだけだった。

観ることすらできなかった。


でも、私も少しは強くなったのだ。


キプトの欠損箇所を補えるくらいには強くなってい…はしないか。



「無限に伸ばせて、私が死んでも使える腕が生えたもんね。大丈夫か」


そう、私はキプトの腕になるのだ。


手となり足となり?いやいや、


「手となり腕となり使われるから」


「じゃあ、正しく使ってあげましょう」


私とキプトは、手も繋がず同時に右脚を…


【門】に踏み入れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

殺し屋は神に祈らない 蕾夢雫姫 @shizki-laim

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ