第16話 終了突入は殺せない

彼は、死んだ。

正確には、死ぬ夢をみた。



キプトがまだ、中学生の頃…

彼もまた、義務教育中だったために学生生活を満喫していた。


彼女が殺しをしているのを目撃した時は、もちろん動揺した。


でも彼は、人を殺したことには何も言わなかった。


「なんで言ってくれなかったの?」と。


それは決して、キプトのことを認められないという気持ちではなかった。




ただ、彼女に隠し事をされていたから。


彼は彼女といていいのか。

何も知らなかった彼が。


その時キプトは震えていた。


小さく溢した、「怖かったから」は、本心以外の何物でもないことは、よくわかった。



彼がキプトを…殺しを認めた時、キプトは言った。


「神を殺したい」



彼は、キプトと【門】の中に入って行った。




そしてしばらくした後、《世界が歪んだ》。




その後、無造作に現れ開いた【門】からは、



キプトしか出てこなかった…



キプトは、呟く。


「復讐してやる…あの悪魔を殺してやる…。」



中学3年生の春休み中、キプトは決意した。


そして、高校生活1年目に殺した人間の数は、100人に及んだ。




目が覚めた時そこには、罪深い瞳があった。


その眼が潤んでいることくらい、寝起きでも分かる。


「サタン…?」

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