頭の中の設計図#11「死神シリーズ」
※原文から再編集しています。
「死神・ギャンブル・バニースター」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054933967755
「死に神ちゃん再起不能―リタイア―」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054925993839
キーワードはもちろん「死神」。
ここでは、命を刈り取る鎌を持った『あの』骸骨のイメージではなく、命の危機を救ってくれた真逆の役割を持って生まれた存在です。
テーマは「九死に一生を得る」。
そして、主の分身として生まれたなら「そこに自分が収まって人間として生きてみたい」――という死神側の欲求を基本に作っていきました。
ちなみに。
「死に神」というのはあえて違和感を残しています。
「に」という平仮名にも、意味はあったりしますので誤字ではないです。
読みづらい、違和感を残すことで記憶に残るのかも? という意図があったりします。
シリーズと言っていますが、作品間の繋がりは一切ありません。
「ギャンブル・バニースター」を書いた後に「死に神ちゃん」を書いたというだけです。
「ギャンブル」の方が登場人物が多かったのに対し(しかも死神の数も、バトルも多かったです)「死に神ちゃん」の方ではキャラを絞り、その分、深く掘っていく形式に。
ハイファンタジーか現代ファンタジーか、という違いもありました。
↓
「死神・ギャンブル・バニースター」
ハイファンタジー。
ゆかぽん、というクズな少女の一人称で物語が進んでいきます。
他作品よりもコメディ色が強めで、吐く毒の量も多いかな? と思います。
キャラが先走って物語が追いついていく、という不思議な経験もあったり。
そして、
章ごとに語り部が変わっていくスタイルで書いています。
ゆかぽん以外が語り部の章も彼女に引っ張られているのか、全員がそれなりの毒を吐いている……、というのが特徴ですか。
ゆかぽんと出会ったことで毒を吐きやすくなったのかもしれない、と考察もできますね。
パートナーである死神の能力を自由に使える反面、頼りになるそれが、後々に自分に脅威として降りかかってくる……。
これを書きたいがための物語でした。
しかもその能力も元々は死神のものであり、当然、扱い慣れているのは向こうの方で――
こっちは借り物の能力で対抗しなければならないという不利な環境。
その上で、
死神に勝利し、今の自分の存在を上書きされることを防ぐ――。
工夫と策でどう乗り越えるのか。
思い切り作者が好きなジャンルでした。
↓
「死に神ちゃん再起不能―リタイア―」
テーマは「共依存」。
舞台は意図的に作られた観光地……「クロスロンドン」。
(クロスは「十字架」ですね)
ただ、日本中の霊的なオカルトを集め過ぎて「本当にヤバイ心霊スポット」になってしまった結果、観光客どころかまともに管理する者もいなくなった文字通りのゴーストタウン……。
そこの学校(まともに機能しているとは言えない)に通う家出少年のひつぎと、そんな彼の「死に神」である幼馴染の少女・
今まで初に守られてきて、それが当たり前になっていたひつぎが――
初の弱さを知り、彼女を守るために立ち上がる……。
男を忘れた少年が、男を取り戻す話を書きたかったんです。
そして、バトルロワイアルをぶっ壊す、というのもテーマでした。
登場人物が少ないのも、多く登場するはずだったキャラを一瞬で殲滅した結果なのです。
……登場するはずだった、と言いますか……
殲滅する予定で予定通りに殲滅しただけですが……。
やっぱり、強い女の子が見せる「弱さ」に「萌え」があるのでしょうね。
…了
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