いけいけ勇者様50

最上司叉

第1話

暗黒の勇者に襲われた次の日。


勇者の部屋の壁の修理を頼み勇者はトレーニングに励んでいた。


トレーニングが終わり勇者が汗を流しているとドラゴンの女が話しかけてきた。


「しかしあやつは何者かの?」


「分からない」


「お主を狙っておったが」


「あぁ」


「またくるかの?」


「多分くる」


「厄介な者に好かれたのう」


「あぁそうだな」


【キュッ】


シャワーの水を止めてタオルを取ると腰に巻きシャワー室をでた。


「どうするのじゃ?」


「敵は倒すが暗黒の勇者の目的が分からない」


「お主を殺すことじゃないのかの?」


「分からないがそれ以外にもあるような気がした」


「そうなのかの」


「多分な」


ドラゴンの女と会話しながら装備を整えた。


「さぁご飯じゃ」


「あぁ食堂に行くか」


「うむ」


脱衣所を出て食堂に向かった。


「おはよう」


「あぁおはよう」


席につき食事を始めた。


今日はあの花の女と1人で勝負しようと決めていた。


魔王にそれを言ったとき凄く心配そうな顔をしていたが頑張ってねと送り出してくれた。


そして前に花の女と戦ったところに来た。


相変わらず黒い花が咲いている。


俺は黒い花目掛けて剣を振り下ろした。


【パァン】


剣は弾かれ黒い花から女に姿を変える。


花の女は俺を見て嫌な顔をした。


「またあんたなのー」


「あぁそうだ」


「何しに来たのよー」


「お前を倒しに」


「!!」


花の女の顔色が変わる。


「やってやろうじゃないの」


「いくぞ!」


【ゴォー】


勇者は咄嗟に避けた。


どこからか風の魔法がきたからだ。


【ブォン】


【キィン】


「ちょっと何してるのよー!」


「邪魔だ!」


「キャァァッッ」


暗黒の勇者が花の女に向けて風の魔法を放った。


「なんだか知らないけど頭きたー!」


こうして勇者と花の女VS暗黒の勇者というおかしな構図が出来上がった。


【ブォン】


【キィン】


「それっ」


【ヒョイ】


「あんた邪魔よ!」


「どこを狙ってる!」


【ブォン】


【キィン】


「えいっ」


【キィン】


【ドーン】


花の女の攻撃は暗黒の勇者の剣で弾かれた。


暗黒の勇者は息一つあげていない。


こちらが消耗するばかりだ。


「分が悪いな」


「なんなのよコイツ」


「分からない」


【ブォン】


【キィン】


【シュル】


「!!」


暗黒の勇者の足に植物のツルが絡まっている。


「今だ!!」


勇者は渾身の一撃を暗黒の勇者に放つ。


【バキィーン】


暗黒の勇者は勇者の渾身の一撃を剣で受け止めたが暗黒の勇者の剣は折れてしまった。


「とどめだ!」


【ヒュン】


「!!」


勇者の剣は空を切る。


そこにいたはずの暗黒の勇者の姿はどこにも無かった。


「なんなんだ?」


「えいっ」


【ヒョイ】


【ドーン】


「何してる」


「あんたも目障りなのよー!」


【ズドーン】


【スパッ】


「え?」


「悪いが俺の勝ちだ」


【バタッ】


そこには血を流しながら倒れた花の女がいた。


「う…そで…しょ」


「悪いがお前の首を貰う」


「そ…ん…」


【ザシュッ】


そして勇者はトップクラスの賞金首討伐に成功した。


花の女の首を持ち帰り賞金を貰う。


勇者は確実に強くなっている。


暗黒の勇者は勇者と同じくらいかそれ以上に強い。


どうしたら暗黒の勇者に勝つことができるだろうかと勇者は考えていた。

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