第2話 よくある追放(家出) 商人の息子ヨシュア編
あのゴタゴタから数日。
俺は今、既に隣国へ向かう船に乗ってる
船主は幼少期からの付き合いの(俺は)幼馴染と思ってる商人の息子。
商船持ってるなんて、ヨシュアは大成功したんだな。
しばらく学園の講師してたから知らんかった
商人の情報網って怖い
俺が学園を飛び出た翌日、ヨシュアが
しかも詳しく説明する前に、全て知ってます!僕は味方です!
みたいな雰囲気でかゆいところに手が届くようにその次の日には出国準備が整っていた。
頼んでもいないのに、逃亡先の隣国で流行ってるドレスまで船に積んであった。
前から用意してたの?ってくらい色々と揃ってた。
(※ヨシュア視点=ついにこの日が来たぁ!!愛の逃避行アハハハ!)
俺は自分を思い出すのと引き換えに
ここ2年くらいの記憶しかないんだ、8歳前までがおぼろげ
まぁ前世の感覚だとね、普通8歳って幼稚園?小学校低学年?みんなもそんな昔のことなんて覚えてないよな?
俺、今10歳…秋には11歳だけど。
船のめちゃめちゃ豪華で奇麗な船内の
窓際のテーブルで、紅茶飲みながらこれからの事や今までの事を考える。
天才少女として5歳で学園に入学して8歳で卒業
もうこの時点で謎!幼稚園に入園したんじゃなくて??
城で妃教育が始まる前に学園から講師をしないかと誘われて引き受ける。
その辺は城で働くお父さんと長男と領地の凄いスーパー現役バリバリ祖母さんが頑張って婚約を引き伸ばしてくれてたんだと思う。
マリーウェザーは、おばあちゃん子なんだな…父親や長男より印象深い。
婚約打診は5歳前の時にお断りしてて、それでもと候補に保留されてる状態だった。
そもそもね、多くの貴族が15歳前後に入学する学園になんでそんなフライングしてんの?
前提として、貴族として認められるには学園を卒業する必要がある
王都の学園(一流) 地方都市の学園(二流) ド田舎の学園(三流)どこでも卒業すればいい
だけど、領地を継いだり爵位を継いだりする場合一流卒じゃないとヒソヒソされる。貴族は世知辛い
だから、没落した本家を継ぐ為に、分家の優秀な次男(成人済み)が大急ぎで王都の学園に再入学するパターンもあるし
本妻が亡くなり、妾の息子(10歳)を跡継ぎにと思う父親がゴリ押しで王都の学園に入学させたりする。
貴族とは所詮、金とコネ!
多少、阿呆でも馬鹿でも性格がクソでも金を積めば卒業できる。それが貴族!
たまーに平民が地方都市の二流学園を卒業してたら、そいつは本物の天才、秀才、逸材!
平民が貴族の学校に入るには莫大な金が必要。
ちなみに王都の学園は平民の入学は不可。貴族と養子縁組してから出直すか地方へ行くか
ヨシュアは去年、地方都市(ウチの公爵領)の学園を卒業した
その為もあって「マリーウェザーお嬢様には大変御世話になってますから」といつもとっても親切。
ヨシュアも年頃の男の子だし17歳くらい?
俺が超絶可愛いから下心があるっぽいけど。
幼馴染ポジってなかなか手放せないし、そこから次のステップも勇気がいるよね。
もちろん告白なんぞしようものなら
「ヨシュアの事は親友《《》》だと思ってたのにそんなふうに見れない…ちょっと考えさせて」とフラグへし折ってやるよ!
これだけ世話になってて申し訳ないね。罪悪感出ちゃうよテヘペロ
俺が学生の頃、最初の留学に付き合ってくれたのもヨシュアだったかな。
ヨシュア父さん(※名前が思い出せない)のスチュワート商会の人たちのキャラバンにウチの馬車が付いて行ったような…うろ覚え。
だって5、6歳の時だし。
家を出る前の事――
王都邸宅(タウンハウス)で、今回のゴタゴタを父と母に話した。(※兄2人は領地で祖母に鍛られてて不在)
父は憤慨して俺の意見や話も聞かずに城に抗議に向かった。以後放置する俺も忙しいからね。
ただお母様は複雑な顔をしてた
「今しかないわ、逃げなさい!
領地に逃げるか隣国へ逃げるか…領地に逃げてもすぐに捕まるわね。(※美肌効果のある温泉わいて大人気の観光地)
本気で逃げたいなら隣国へ向かうのよ!
大使館の大使さんが力になってくれるわ…そのまま結婚してもいいのよ?
大使さんあなたの事ずっと好きだったみたいだし……」少し視線をそらした
隣国の大使の顔が思い出せないですママ
え?10歳の娘に?
さすがにそんな人を頼れと母は言わんだろ。
本当に力になってくれる人なんだな、きっと。
今年4歳になる双子の弟
「「マリーおねーさまぁ!おかえりなさーい」」
「ただいま〜、可愛い私の弟たち」
「「ねぇ、どっちがどっちか解る?」」
「こっちがマイケルで、こっちがチェスターでしょ?」
「たまにしか会わないのに、貴女はよく見分けがつくわね」
「お母様、そう思うなら髪型変えるなりすればいいのよ。マイケルは冬の赤い実と唐揚げが好きで、チェスターはチョコバナナクレープが好きなんでしょ?」
「「マリーおねーさまが一番大好き」」
その日は3人で一緒に寝た。
弟達はめちゃめちゃ暖かくて、久しぶりに寝汗かいたわ!
秋に5歳になるけと多分忘れられちゃうかな。
港街まで馬車で3日〜4日ほどかかるから、翌日には出発した。
(※泊まる宿のランクで港までのルートが変わる。ヨシュアにお任せ)
お母さん泣いてた…
今でも思い出すと俺の大きな胸が苦しくなる
俺オッパイでけーな!何カップあるんだ?片手で収まらない!ウハッ
自分のじゃなけりゃなぁ〜!あぁ!
窓に反射して映る美少女…これ俺かぁ
調子に乗ると痛い目みるかもしれんな
でもこんだけ可愛かったら人生イージーモードだよねー!
コンコンとノック音とともに
「マリーウェザーお嬢様、少しよろしいでしょうか?」
「えぇ、どうぞ」
ガチャとヨシュアが資料を持ってやって来た。
隣国へ向かう航路の提案だった。
ヨシュアは隣国でも遠くの港まで船で行って、そこから陸路でジャングルへ向かいたいそうだ。
隣国は砂漠を持ってる広い国なんだけど
かりん糖まではいかない褐色肌の国だ
白人がノコノコ行って大丈夫?とか思ったけど、留学してるときに俺は商会を自分で立ち上げたそうだ。
その時にヨシュアのスチュワート商会と合同で作ったとか。
じゃあ、それもう、ほぼスチュワート商会の隣国支店だよね?
名義貸ししてたんかな?
お金と公爵令嬢と言う立場を使ってヨシュアに迷惑をかけたんだろう。
すまねぇ、あの時はまだ子どもたったんだ。
まぁ、スチュワート商会も公爵令嬢の後ろ盾を利用したに違いない。
持ちつ持たれつだよな
そんな事より、ヨシュアがずぅーっとキラキラした顔で熱っぽい視線を送ってくる
俺可愛いし解るよ?
公爵令嬢なんて手の届かない憧れのお嬢様が家出なんてしちゃってさ、手が届いちゃったもんね?
さっきから俺の手を握って
「今は心細いと思いますが、安心して僕に全て任せて下さい!
貴女に苦労はさせません、大丈夫です!
僕を頼って下さい!
これは恩返しなのです、下心なんて微塵もありません!
恩を返せる機会を奪わないで下さい。
一生かけて返していきますマリーウェザーお嬢様」
「……恩返しなのね?ありがとう。じゃあ気兼ねなく過ごすわ
ヨシュア、しばらく見ない内に大きくなったわね」
ヨシュアも成長期だもんな
「マリーウェザーお嬢様に比べたら、本当に美しく成長なされましたね…(ポッ)
あ、昔も可愛かったですよ?お嬢様の小さい手が今も目に浮かびます…感無量ですお嬢様ァ
僕は今すごく幸せです怖いくらいに。今が永遠に続いて欲しい。」
乗る船を間違えたかな…
こいつ本気か?お願いだから隣国につくまで告白しないでくれよ?
振ったら船をおろされない?
「ヨシュア…
船の旅って胸がいっぱいでお腹もいっぱいなの…フゥ(※アンニュイ演出中)
シナモン抜きのタルト・タタンとワインとかでいいわ?」
タルト・タタンはりんごパイのような、ちょっと面倒な料理
10歳が飲むワインは沸騰させてアルコールを飛ばしだホットワインのこと。
こう言うとヨシュアは船内厨房に注文しに行くのと、俺の意図や言葉の裏を読もうと考えて部屋を出ていくと思った。
思春期の小僧の考えなどお見通しだ。
どうせ頭の中はオッパイの事で8割埋まってるだろ?
この頃は顔と乳しか見ちゃいない。ソースは俺
執事「お嬢様、夕食は6時に食堂です。お部屋でお召になりますか?」
「食堂へ行くわ」
部屋に食べ物の匂いがつくと悪いしね。
ヨシュアが万が一俺の部屋で酔っ払うと面倒だし
ちなみに学園を卒業したら大人の仲間入り
お酒もタバコもエロい店もOKそれがこの国の貴族。
屋敷から唯一付いてきた執事のヴラド
(※家名があったけど忘れた)没落男爵家の三男?四男だったかな
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