第23話 オブライエン公爵家からの招待状
その日、カイルはオブライエン家の
それは、個人的なお茶会の招待状だった。
参加者はカイル、オブライエン公爵、そしてアレキサンドラのみ。
「ついに直接、カイル様にアレキサンドラ様とのご結婚を申し入れられるおつもりなのでしょうね」
「おそらくは」
カイルはうなづいた。
「アレキサンドラは私の幼なじみでもある。彼女には酷だが、ここで正式に断るしかないと思う」
「使者の方がご返信を待っています。ご出席で返しておきましょう」
「頼む」
カイルはひとつ深呼吸をすると、執務室の窓へ向かった。
もう彼の新しい習慣のようになっている。
この窓から外を見ていると、神殿に行き来するアレシアの姿が見えるのだ。
農園でアレシアと過ごした1週間はとても楽しかった。
アレシアとは本音で話せる、そうカイルは感じている。
夜会でのアレシアの様子は、痛快でもあった。
そして今、アレシアが自分のために皇家の呪いを解こうと動いてくれているのを知っている。
自分のために祈ってくれていることも。
アレキサンドラとの婚姻を正式に断ったら、オブライエンはすぐアレシアの排除に向かって動くだろう。
アレシアの安全を第一に考えなければいけない。
カイルはアレシアと連絡し合うことを避けていた。
ことさらにアレシアに興味がない、という冷たい態度を取っているのも、そうすることでアレシアから視線を逸らし、アレシアを守るためだった。
しかし、アレシアが正式な婚約者である以上、オブライエンから守り切れる保証はない。
カイルはアレシアの兄である、クルス・リオベルデに手紙を書いた。アレシアの安全について注意を
ネティへの警告は、エドアルドからサラに伝えてもらえばいいだろう。
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