小学校の時に好きだった人と高校で再会したが、何故か好意を寄せられている?
南極ペンギン
第一章 再会
第1話
『女の子なのに、女の子が好きなんて変なの』
『気持ち悪い』
『もう、学校に来ないでよね。気持ち悪い』
これが、小学校の頃に友達から言われた言葉だ。別に女の子が好きなんて誰にも言ったことなかったのに、当時好きだった女の子にあからさまにアピールしてたから自分が同性愛者だとバレた。
その日から、小学校には行けなくなり、中学校は県外のところへ、進学した。
小学校のころに比べて私のことを知っている人がいなかったので居心地は良かった。
でも、小学校の頃に好きだったあの子が忘れられない。中学を卒業しても忘れられなかった。だから、私はあの子をもう一度だけ、一目見ようと、高校は県内の公立高校に進学した。
そこで奇跡は起きた。あの子と同じ高校だったのだ。しかも同じクラス。
きっと、運命だ。また、あの子と一緒にいられる。
これは、小学校の頃のトラウマにいつまでも囚われている私と、うまく想いが伝えられないあの子の物語だ。
あの子の名前は、浅野葉月(あさのはずき)。艶のある、長い黒髪のいかにも王道の清楚という感じな女の子だ。
葉月の笑顔はとても眩しくて、まわりを照らしていた。
当時、あまり友達がいなかった私も葉月に何度も助けられた。いつから好きだったかは、もう覚えていないけれど、葉月といると心が温かくなる感触だけは覚えていた。
対するそのころの私は前髪が目元まで伸びていて、お世辞でも可愛いとはいえなかった。
そんな、冴えない私でも葉月はいいと言ってくれた。それが、とても嬉しかった
だか、事件が起きたのはその数週間後だった。私と葉月が仲良くしている事を、良く思っていない女子のグループから私の事を同性愛者だと噂を広めていじめてきたのだ。
葉月は、そんな女子たちに反論できるはずもなく.........
『同性愛者ってキモいよね』
陰でそんなことを言っていた。
知ってた。知ってたけど、現実はあまりにも残酷だった。
その日から、学校には行かなくなり、家に引きこもっていた。
小学校の卒業式も終わり、中学校は県外のところへと通った。それでも、葉月が忘れられなかった。忘れたいのに、忘れられない。苦しい、辛い、怖い。
でも、叶うならば、もう一度葉月に会いたい。
こうした想いで、再会を果たすのだった
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