第14話「君のため」

ただ生きて

死ぬまでの間

何をすればいいだろうか

こうして今日とて

確かな段取りがないまま

命を浪費してる


部屋の中のカップ麵の残骸

明滅するテレビ

全てくるめて

むざむざとさび付いている


この息を

どこへ吐き

何を体現してるかと

ただ滑稽な惨状で


無念たらしい失情を

困惑した催涙ガスのような夜を


ただ生きて惑って繰り返して

その全てがただのゴミでしかなく

ただの一回も生きてるとは言えない

そんな僕が


今日もただおぞましい姿で

生きている


ほら君だって

僕に早く死んでほしそうに

嘲笑っている


そうだよな

俺って周りを暗くするだけだよな


もうここで死ぬよ

もうここで終わりにするよ


本当にごめん


生きててごめん


もう二度と生きようなんてしない

死んで来るよ


君のために死んで来るよ。

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