第9話「さよなら」
世界には二つある
生きたい人と死にたい人
そして僕は死にたい人だった
何故だか生きる事が苦しかった
漠然とした理由はないけど
日常はすさんでいて
ただ涙が毎夜流れる
悪さをした訳じゃないが
標的にされ
けなされ侮辱され殴られた
でも生きろなんて
まるで僕を分かっていない
この砕け散った心が
なんどもひずんで
痛いと泣くから
死にたいと叫んでいるんだ
もう君のやさしさが
ただ生きろと言う
あまりに大雑把な答えだから
あてになんてできない
君はさぞ幸せなんだと
そう思えて
むしろ憎んでしまう
もうこれ以上
君の意見で僕を扱わないで
死にたいんだよ
苦しいんだよ
もうとっくにわかってるはずだろ
僕は不要な人間なんだ
愛されやしないんだ
思われもしないんだ
ただ痛烈に残酷に
痛みを受けて
孤独を強いられて
傷を抱えて壊れそうなんだ
もう優しくしないで
無責任なこと言わないで
早く僕を楽にしてよ
その手で殺してよ
僕はもう絶望的な廃人なんだ
だからお願い
さよならをください
もう生きたくないんです。
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