留年仮面

@ozaking

変身編

プロローグ きっかけ

ピーッピーッピーッピーッ   響く電子音、それが目覚ましだった。


あれは中学2年の夏休みの始めのことだった。部活に向かう途中の交差点、時間にも余裕があった。なぜここに『も』がついているかというと夏休みが始まる前に部活のマネージャーに告って無事にOKがもらえたからだ。


「周りとは一味違う、俺は勝ち組なんだ!」


と内心叫んでいたことは当時の感情の中でも強く残っている。まぁそんなことを考えながら信号を待っていた。



ふと信号のLEDから目を逸らし道路に目を向けた時のことだった。


「カラス…?けがしてんのか?」


体に赤い血らしきものがついたカラスが道路に座っている。それだけならよかった。

田舎でも都会でもない町ちょっと太めの道の早朝、普段なら車は来ない。だが来た、

その時だけは来た。

普段の自分なら絶対に何もしない、絶対にだ。けど、そん時の自分には譲れないものがあった。それは何かって!後ろに美女がいたのさ!しかもただの美女じゃない!

巨乳だった…。それが加工でも整形でも構わない、男とは女のまえではかっこつけよとしてしまうのだよ、たとえ彼女がいてもだ…

・・・・・・・・・

故に俺は走った、カラスに向かって。性欲のままに走った罰なのか、それともただの

バカなのか。俺は躓いた。ずっこけた。そして轢かれた、軽トラに。空中で大回転しながらふと思った。

「(命の危機に陥ると時間の流れが遅くなるのってほんとなんだな)」

ちょうど5回転目ぐらいに空を見た。カラスは飛んで、赤色っぽいのはイチゴだった。まぁ、ワンチャンいや多分いや5割位いや9割9分いや絶対に俺に驚いて軽トラ避けれたんだけどね!

地面にぐしゃっと落っこちて一言


「明後日、修学旅行やないk…」


そんなわけで俺の夏休みは燃えた、俺とともに。



「ファウッ!母さん修学旅行の準備がまだじゃん!」

…ここ家じゃない?

病院…?あっそうだ俺、轢かれたんだった。でもこれだけは言いたい。


「知らない天井…」


to be continue

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