5.最悪の呪い[後編]

※ルクス視点※


 触手が巻き付く中で、僕は身体から膨大な魔力がイリスに吸われて送られていた。


「……うそ!?」

「なんで、人間にそんな魔力があるですか!?」


 あり得ない顔でイリスは驚愕した。


 大気のあるマナ[微量の魔力]がルクスに集まってるのを見て、


「はっ!?」


 気づいてルクスの手に目をやるとマナが集まってる。


「こんな強大な事は通常スキルやユニーク・スキルには不可能なはず、まさか……アナタはブラック・スキル持ち!?」

「………」


 静かな顔になった僕は誰にも言えないスキルがあった。


 それは相手の画面にはステータス表示がされない…ブラック・スキルが2つあった。


 ブラック・スキルは更に最上位クラスで落差のある人を選ぶスキルは、ルクスのブラック・スキルは[魔法・瞬間記憶]と[マナ吸収]がある。


 [魔法・瞬間記憶]は1度見た魔法は本人の意思とは関係なく習得してしまう。


 [マナ吸収]は大気のマナを自分の魔力に変換して、魔法を使う。


「でも…このスキル…………アナタは……」


 何処か悲しそうな顔でイリスはルクスを見ていた。


 暫くしてルクスは触手から開放されて、


「大丈夫ですか!」

「…大丈夫…ゴホゴホ」


 心配そうにイリスは見て、僕は顔を反らして言いかけて咳き込んだ。


 そして…黒い血を見た。


「それは…黒色の血」

「まさか、アナタは!!」


 今度はイリスは涙を浮かべて僕のカッターシャツの襟を両手で掴んだ。


「なんで無茶をするですか!」

「アナタがブラック・スキルと『最悪の呪い』を持ってるのに…そんな無茶苦茶な事をして、今すぐに死にたいですかー!?」

「君が辛かったから、どうしても助けたいと思ったから…」

「!?」


 見ただけでイリスはこの呪いのことが見抜かれ睨んで、目を反らし僕は静かな口調で言うと、目を見開き驚きの顔で両手を掴んだ手を放した。


「アナタはどんだけお人好しで!」

「驚くくらいに大バカでアホですか!」

「自身を捨てるどうしようもないクズでマヌケですか!」


 その後は散々に言われて、そんな事は無いと思いつつも僕は黙って静かに立っていた。


 暫くしてイリスは落ち着くと、


「色々と言ってごめんなさい。」

「僕は戻るけどイリスはどうするの?」


 素直に謝ると僕は今後の事を訊いてたら、


「その事でいくつかお願いがあります。」

「お願い?」


 不思議な顔に僕はなった。


「今後はアナタに同行します♪」

「理由はあんな無茶苦茶な事をしてると思うと、毎日が心配になりますので、それにちゃんとアナタにはちゃんと最後まで責任をとって頂かないといけませんので、末長く宜しくお願い致します♪」


 とんでも無いことを笑顔でサラッと言われてるが、空いた口が開いたまま僕は固まった。


「え……っと、責任とは?」


 頬をかき歯切りが悪く僕は聞くと、 


「勿論♡」

「名前をつけたのですから、最後まで夫婦として責任とってくれますよね♡」


 ニッコリとイリスはルクスの手を掴み抱きついて、顔を近づけてきた。


 驚愕の事実に僕は、


「夫婦!?」

「はい♡」

「何ならここで色々と行いますか?」


 こっちを見てふるイリスの顔がニッコリと妖艶に満ちて片手をお腹の辺りを触ってきて足も絡めてきた。


「幸いにも時間は止まってますので浮気の心配は無いですよ♡」

「何なら邪魔なくここで手取り足取り優しく、それとも最初から激しくダメダメになるくらいレクチャーしますよ♡」


 タジタジの顔の僕を楽しむようにワザとイリスは言ってるとように思えて、


「ごめんなさい。僕はまだ成人になってないので直ぐには無理です!」


 咄嗟に僕は叫ぶと残念そうな顔でしたイリスは残念そうに、


「そうですか。」

「人間にとっては成人は大事ですもんね♪」

「でも、いつでも言ってくださいね♡」

「我慢は体に毒ですから、いつでも溜まったモノを膿は取ってあげますよ♡」


 途中から微笑んだ顔でイリスは言ってきた。


「それと…アナタに」

「え?」


 チュー


 不意に僕は振り向きニンマリしたイリスと唇が重なりゾッとした感覚が流れてきて、唇が離れるとイリスは満面の笑み見せた。


「成人前に勝手にアナタが居なくなっては困りますから、わたしから逃げないように、わたしのユニークスキルの[マーキングの呪い]を2つ付与させてもらいます♡」

「マーキングの呪い?」


 僕は顔が引きつて、


 ヤダ! 

 それ…ヤバそう!

 一番…怖いですけど…!?


 ニッコリとイリスは、


「未来の旦那様が『わたしから離れるのは絶対に禁止』と勝手に死ぬのは禁止の『不死』です♡」


「えっと…お風呂とトイレも含みますか?」

「それは、セーフです。」

「それ以外は全部ダメです♡」

「勿論寝る時も禁止です♡」


 内心でルクスは…お風呂とトイレがセーフで良かったと思って、出来れば寝るのも含まれてほしかったと思った。


 イリスはイタズラぽい顔で、


「寝る時に襲いませが、成人を過ぎたらアナタの身は保証もしません♡」

わたしが夜に襲っていつの間にかアナタが、私わたしから離れれない可愛らしいペットのワンちゃんになってるかもしれません♡」


 また背筋が悪寒が入るくらいに変な事を聞いた気がした。


「ところでアナタのお名前は?」

「かなり遅いけど自己紹介だけするけど、僕はルクスだよ。」


わたしはお察しの通り、ホムンクルスの聖母イリスです。」

「宜しくイリス。」

「はい、ルクスさん♡」


 きかれて自己紹介をして僕とイリスは握手をした。


 心の中では、正直にこの先の展開が不安しか無かった。


 続く


※※※



 スキル


 一般的に手に入り、努力次第では…独自のオリジナルスキルに変化することもある[必ず…全員がオリジナルスキルになるわけでもない]。また生まれて持つ者も居るが…生まれ場合はランダムなので、たまにハズレもある[例外は親のスキルを子供が低確率で遺伝する]。



 ユニーク・スキル


 女神や他の神の加護があり、精霊や妖精に好かれて事が条件のスキルでハズレは低い。




 ブラック・スキル


 極めて超レアだが、対価もでかく…使えるモノと使えないモノが落差があり、相手のステータスには表示には出ない。


 このスキルは…悪いスキルなら対価も無いが、強大なスキルなら人生の過程で、必ず対価を受ける[半…呪いに近い]。


 このスキルは意志があり、スキル自体が人を選ぶ[モノよっては死の宣告かな]。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る