第10.5話
――ヨナ視点
「う~ん、らしくないな」
そう言いながら彼の顔をのぞき込む。
不安そうな顔だった、
それでいて、決意のこもった目。
私の出方次第では、彼は行動を迷わないだろう。
だから彼は保留的態度をとっている
誰だって傷口をえぐられれば痛い、
公害事故の加害者のように直接手を下している実感がないなら人はいくらでも自分に言い訳ができる(なぜなら全く悪いと思ってないから)、
でも誤射で目の前の人を殺害したなら、その家族と会うのですら苦痛なように、
後ろめたい感情があるといつしか喧嘩腰になり、言葉はきつくなり、憎しみ合うだろう。
そうなりたくないから遠ざける
優しくて、悲しい人
感情なんて捨ててしまえばいいのに
そして私は、情をかけてもらえる存在であることをうれしく思ってしまうバカな女だ
「時間が解決してくれるなんてウソなんだよ?」
「あぁ、まぁ、結論を先延ばしにしてるだけなのは理解しているよ」
「国の命令だったとか、適当に自分には責任がなかったと言えばいいのに・・・、矜持が許さない?」
「・・・」
「また、黙っちゃうんだ?」
非難するつまりはないのに、
問いただすような言い方になってしまう。
「そういえばさ、男の人が黙るのって、熟考してるんじゃなくて、
自分の意見になんて意味がないと思ってる時が大半なんだって言うよね」
「まぁ・・・、大体合ってるよ」
「ふーん」
人は完全無欠ではない、痛くなくとも腹を探ってくる相手には敵対行動としてカウンター攻撃を行わなければ弱者として淘汰される。
だから人によっては相手が構わないでほしいという雰囲気を出していたら何もしないのが良手だと言い聞かせ、状況が最悪になってから「大丈夫だといっただろう」と、険悪になる。
これは、
頑張ってる人にはもっとがんばれと言って、
頑張ってない人には あなたは頑張ってる、がんばったね、と言ったほうがいいのに似ている。
1しか頑張れない人は能力が低いんじゃなく、努力して成功するイメージが持てない、だから少し頑張ったら少し褒めて、そうやって努力は評価される、見られていると積み重ねていく。
ほっといてというのは、自分で解決できるという意味じゃなく、人との関わり方が分からなくなっている。ヒキニートがある日突然に能力や人脈に覚醒しないように、人って言うのは積み重ねなんだ。
積み重ねを拒否して状況がよくなるなんてことはない。
だから私は動くんだ、
たとえやって失敗しても、やらずに後悔するなんて絶対に嫌。
※ここでJAPネタ入れようとしたが、流れが悪くなるので後書きに移動
「ねぇ、眼を見て? 大丈夫、これからの事を話してるんだよ」
視線をそらし黙り込む彼の顔にそっと手を当て、
こちらに顔を向けさせる。
彼も視線をこちらに合わせて来た。
「謝ればいいのか?」
「大人として自分で行動を決めた時点で、相手に責任転嫁するのはお門違いってやつでしょ?」
そういい、私は彼を優しく抱きしめる。
「抱きしめて、それでチャラ」
肩に手が回ってくる。
なんだかとても懐かしい。
「あ~あ、でも、罪を背負うなら私も一緒がよかったな」
「ごめ・・・」
そこまで出かかった言葉を手で遮る。
「感謝の言葉はごめんじゃなくて ありがとう なんだよ?」
「ありがとう」
「うん」
彼の涙が肩に伝って来た。
「おかえり」
「ただいま」
▲▼
JAPが「あぁ~、いい感じになーれ」と70年いい加減に近隣国への対応を行った結果、都合のいいアッシー君に成り下がり、慰安婦や強制徴募へ賠償金を集られ続け、領土をかすめ取られ、領土返還を明確に拒否しバカにしている敵大国への参戦を行わず権利回復する機会を延々に失い凋落したように、
▲▼
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます