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前夜
『明日埼玉は晴れ、全体的に過ごしやすい天気でしょう――』
テレビの向こうのアナウンサーは、よく通る声で告げる。
「よしっ」
それを聞いて、僕――吉宮涼は小さくガッツポーズをした。
「準備も大丈夫だな」
僕はついさっき詰めたバックの中を確認していく。
明日、北宮に遊びに行くのだ。
祭谷高校はまあまあの進学校で名が通っている。僕はそこの2年生だ。1年の頃はクラスに馴染めず、ずっと一人で本を読んだりゲームをしたりしていた。だけど、今年になってからは、上手くクラスメイトと仲良くなり、一緒に遊ぶ友達もできた。常に冷静で物事を俯瞰する高澤と、チームのパワー担当中村。みんなを笑わせるのが得意な山田。オシャレが命の山本、いつも何かしらのアイドルグッズを持ち歩く宮石、見知らぬ人と話すのがとても得意な城守、と僕。明らかに全員方向性が違うのに、何故か噛み合っている7人で、明日は遊びに行く。高校に入って初めてのみんなとどこかへ遊びに行くという体験で、僕はとても興奮していた。
「うん。持ち物に問題はないな」
そうつぶやき、僕はリュックを閉める。ふと時計を見ると、10時を少し回ったところだ。
「明日は早いしもう寝るか...」
そう言って布団に潜りこむ。
明日への期待に胸躍らせながら。
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