末裔勇者 ~魔王になった勇者は悪をぶっ潰す!~

コーキ

序章 シルヴェスタ王国

プロローグ

 他国からの侵入を許さない、深い森に囲まれたシルヴェスタ王国。 かつてこの国は人間族と魔族が二分して共存していたが、些細な事をきっかけに均衡が崩れ、大きな戦争へと発展した。


 神と人の間に誕生した種族と言われ、自然の力を己の糧として行使する『魔法』という力を持つ人間族。


 対して魔族は翼や尾、角などの身体的特徴を持ち、その特徴を活かした様々な特殊能力を持つ。


 町を破壊し、野や山を焼き、地形が変わるような戦争は100年近く続き、やがて両者は拮抗状態のまま冷戦に突入する。 永久に続くかと思われたこの人間族と魔族の戦争は、人間族側に現れた一人の男によって終息を迎えることになる。


  魔導剣士エターニア


 魔族に劣らない戦闘力を持ち、魔法をも使いこなすエターニアは、疲弊した魔族の軍勢をすり抜け、魔族の王グリードに奇襲をかけて見事討ち倒したのだった。


 王を失った魔族は浮足立ち、人間族は総力で魔族をシルヴェスタ南西に位置するルーツ地方へと追いつめる。 だが後一歩というところで追撃を断念。 もはや人間族には、過酷な地形のルーツ山脈へ逃げ込んだ魔族を掃討する力は残っていなかったのだった。


 かくして人間族はシルヴェスタ国のほぼ全土を制圧し、100年に渡って繰り広げられた戦争は終結した。 魔王グリードを討ったエターニアは『勇者』と讃えられ、後世に語り継がれる事になる。




 これは、人間族と魔族の大戦から500年後の物語である。

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