異世界転移したら俺様貴族のご主人様に拾われましたが、仕事がハードでへこみそうです改

第1話 メイドやってます

　私の名前は、チヨです。

　特にびっくりするような個性があったり、目を引くような容姿だったりはしません。

　むしろマイナス？

　な見た目ですしね。

　見た目が童顔なので、実際の歳より若く見られる事がしばしば。

　町を歩けばおこちゃま扱いされることが多々あり。

　お使いをすれば、偉いねお嬢ちゃんと褒められる事が多々。

　私は、そんな人間ですっ。

　ナイスバディーでグラマーなお姉さんになりたい。

　けれど、そんな私チヨは、ある日突然住み慣れていた町から離れて、異世界でメイドとして働く事になってしまいました。

　びっくりですよ！

　突然の事だったので、気持ちの準備はまるでなしですもんっ！

　まあ、気持ちの準備ができていたらいいのかというと、全然よくないですけどっ！

　それで。

　そんな風に、ある日突然異世界に転移してしまった私なんですが、幸運にも一地方をおさめている領主でお貴族様な、イケメン危険人物カーライル様に拾われました。

　何の縁も力もなしに、ただのか弱い女性が異世界に放り出されたら生きていけませんからねっ！

　そこはホント、幸運です！

　それで、お貴族様のお屋敷で働くことになりましたけど、このご主人様……ただの良い人ではありません！

　顔はイケメンでお金持ちなのに、性格がとっても残念なんです。むしろ残忍なんですっ！

　イジワル！

「チヨ、暇だから俺にあそばれろ」「ひえっ」

　陰険！

「チヨ、さっきミスをしていたな」「ひぃっ、見てたんですか！というかあれ、ご主人様が用意したお仕事ですよねっ、ネズミ捕り！」

　ドエス！

「お前が泣くまで俺は満足しないぞ。さあ、泣け！」「泣けと言われて泣く人がいるんですかっ」

　性悪！

「チヨ、みたか。あの貴族、転んで尻を打っているぞ」「ご主人様の性格、終わってると思います」

　とにかく性格がやばいんですっ！

　やばさがばいんばいんなんです。

　おかげで私はしょっちゅうからかわれたり、悪戯されたり、お仕置きされたりしてます。

　はぁ、私がドジをしたり、失敗するせいもあるんですけどね～。

　でも、そういうわけなので、お屋敷でのお仕事は大変。

　朝から晩まで大忙しな日々を送っています。