第309話 読了、王谷晶『ババヤガの夜』

 だいぶ前に購入して、冒頭シーンだけ読んでそのままだった『ババヤガの夜』昨日今日で読み終わりました。


 いやー、バイオレンス系ものすごい久しぶりに読みましたね。この手の作品は、菊地秀行さんあたりで散々読み散らかした記憶があります。魔界都市新宿シリーズはヤクザもよく登場するので、変な懐かしさとエゲツなさに舌を巻き、女性作家さんでここまで書かれてるのを、おそらく初めて読んだかもしれません。


 別のえげつなさ、容赦のなさで言えば『十二国記』シリーズもかなり酷い。そしてホラーと比べれば、バイオレンスのほうがまだ自分の中で納得感があるのかもしれません。


 構成もお見事でまんまとやられました。でもこれ、英訳どうやったんだろう? とそこも気になってしまいます。


 正直、おかしいなと気がついていたので、だからかー! とめちゃくちゃ納得しました。


 多分もう一回読み直すと思います。


 改めて、最近の物語を読まないとなと思ったのと、どこと説明できませんが、市川沙央さんと低通する何かを感じます。あまり言語化しないほうがよさそうななにか。


 なので帯に『シスターバイオレンスアクション』と書かれていて、ううーん間違ってはないけど、そうじゃない、そこを安易に名付けちゃったら台無し! みたいな気持ちになります。


 まぁ、悩ましいですね。


 なんだかんだと映画で女性のアクションものが好きで、アンジェリーナ・ジョリーの『トゥームレイダー』とか『Mr.&Mrs.スミス』好きだったりします。


 思わぬところで意外と書いてみたいという興奮あり。あとは動きの描写が強い。強い女と美しい男っていう組み合わせで描かれてる津守時生さんとかも好きですね。


 文庫版は作者の王谷さんのあとがきもあり、今回のキャラクターたちが生まれた流れなどが描かれていました。こういうところがあとがきの楽しみですね。


 王谷さんはお名前は存じ上げていて、たぶんウェブで公開されているエッセイは拝見したことあると思います。


 他の作品も読んでみたいと思いながら、自分の意外な一面も改めて見えて面白かったです。


 改めて、ダガー賞授賞、おめでとうございます。

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