第130話 京極夏彦さん

 唐木 厚さんの『小説編集者の仕事とはなにか? 』(星海社新書 294)を隙間すきまでちびちび読んでます。


 ノベルズ時代はちょうどアメリカにいて、この本が欲しいとリクエストしたのに送ってくれなかったことがあります。


 多分内容が中学生向けではないと判断されたのでしょう。


 当時から高校にかけて読んでいたのが田中芳樹さんの『アルスラーン戦記』『創竜伝』、菊地秀行さんの魔界都市シリーズや吸血鬼ハンターD、栗本薫さんのグイン・サーガあたりで、伝奇ロマンというジャンルだそうです。


 同時並行で新選組関係にはまったり、安倍晴明関連も読んでましたね。少女小説も読んでたので、なんというか琴線に触れたものを乱読してた時期です。


 最終的に京極夏彦さんの民俗学に進んでますが、我ながらなんなのか。


 素直に比較文化系に行ってればよかったんですけれど、家が海外文化ご法度の家になってたので日本文化だと説得しやすかったんですよね。


 入ったあとにめちゃくちゃ苦労しました……。


 そんなことを思い出しながら、京極夏彦さんのデビューのきっかけが語られてるので、一ファンとしても非常に面白いです。


 『魍魎の夏』を読んだ時は通学電車の中で、本を片手で持てなくて、ページめくるたびに満員電車の中で苦労した記憶があります。


 それにしてもあとがきか何かで読みましたが、今回も書かれていた編集側から見た話が面白いです。完成度が高すぎて既存作品を持ち込んだのかと疑われたとは。


 そんな、この人にしか書けない作品を書いてみたいというのは、最終的な、そして一番の目標ですね。


 自分なりの語り口をガッツリ掴みたい。久しぶりに初心に返り、身が引き締まる感じもします。


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