第60話 100分de名著 「ウィリー版源氏物語」

 NHKの100分de名著を見ました。今回は『ウェイリー版“源氏物語” (1)翻訳という魔法』

https://www.nhk.jp/p/meicho/ts/XZGWLG117Y/blog/bl/p8kQkA4Pow/bp/p39a07jd23/


 いやー、面白かったです。

 読みたくなって即座に検索したら売り切れてました。


 そして続きがあるようでそれも楽しみです。


 何が面白かったって、源氏物語(古語)から英訳して、さらに現代日本語に訳した点。


 エンペラーとか、更衣がワードローブのレディ、女御がベッドチェンバーのレディーになっている。さらにイラストが秀逸で、確かにこうなるよなぁと。


 まるで当時の海外の人たちが読んだイメージを追体験しているようでした。


 なによりも光源氏がシャイニング・プリンス=神と言われて、ああ!!! 神話なのか!!! と大納得です。


 そうか源氏物語って日本書紀なんかも意識しているってあったもんなぁと。そう考えると色々なことが思い浮かんできます。


 例えば、中学生当時、『あさひゆめみし』と『アリーズ』が回し読みするほどはやっていたのですが、光源氏とゼウスはどちらも浮気者だがどっちがマシかという話で盛り上がりました。


 当時軍配が上がったのは、とりあえずそれぞれの恋に本気の光源氏がマシという中学生たちの結論です。


 いまはどうでしょう?


 とりあえずそう考えたときに古事記も日本書紀も、神代の神々は確かに惚れたはれたで夫婦喧嘩をやったり、時に子どもを単身で産んだり、兄弟姉妹での結婚も普通といえば普通……。


 なんだかものすごい納得感でした。


 だから宮中年代記(クロニクル)とおとぎ話(フェアリーテール)が混ざったと言われればまさに! ですね。


 フェアリーテールは生霊なども物の気だけではなく、それぞれの因果の落とし方がおとぎ話っぽいんですよね、たしか。うろ覚えなので早く読んでみたいところです。


 個人的にはエクソシストはでも陰陽師だろうと思うんですけど、どうでしょう? 修験者をエクソシストとされていたのですが、もしかすると当時的には陰陽師は暦と占いメインで(まさに今回の安倍晴明)、修験者のほうが呪い返しとかになるのでしょうかね? 


 そして物の怪をエイリアンとして外から入ってくるもの――日本ではマレビトなんかもそうなりますね――を追い払うというのもなるほどなという理解になったのでした。


 それにしても、源氏物語が神話と言われると、もはや1000年生き残るの当たり前だーという感じです。


 まさにヒーローズジャーニー。英雄としての光源氏の物語。ウィリー版を早く読んでみたいなと思うのでした。


 あとNHKのテキストも欲しかったのですが、今日本屋に行ったらありませんでした。残念。

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