モブとして生活していたら学校一の美少女に好かれてしまった件
御霊
モブの隣の席
この世界には自分以外はモブと言ってもいい。自分自身は主人公、他の人は重要人物が少数、大体モブ。
こう考えると世界が小さく感じる。そんなことを考えながらも授業を右耳から聞いて左耳で流している俺は
そんな俺は自分自身のことを主人公だなんて思っていない。俺は所詮そこら辺にいるモブ、RPGで言えば村人Aである。
「であるから〜である。おーい、多々良聞いているか?」
「聞いてます」
「じゃあ俺はさっきなんて言ってた?答えてみろ」
「であるから、である」
「後ろだけしか聞いてねえじゃねえか・・・ちゃんと聞けよ?」
モブであっても先生は俺にも質問をしてくる。モブであったとしても少しだけスポットライトを浴びせてくる。それが俺は嫌い。
「じゃあ、レポートに取り組んでくれ。隣と協力して作れよ〜」
先生はそう言うが俺は隣と協力してレポートを取り組むことなんてできない。なんたって・・・
「よろしくね多々良くん」
俺の隣にまさにこの世界のヒロインというべき人がいるからである。
彼女の名前は
そんな完璧な彼女にモブの俺が話しかけるのはもちろん、こうやって隣にいるのも場違いなのである。早く席替えがしたい、できれば次は平和なところで彼女のような存在がいないところがいいな・・・
「・・・ねえ、多々良くん」
廊下側は嫌だな・・・窓側のほうが授業中に外を見て暇を潰せるからそっちの方が・・・
そんなことを考えていると隣にいる柏が俺に話しかけてきた。
「・・・聞いてるの? 多々良くん」
隣にいる人は俺を思考の海へと沈めてくれなかった。
「・・・なんすか?」
「あなた聞いてなかったの?」
「そうですね、俺の耳は右から入って左へと流れていく高性能な耳なんだ」
「欠陥品じゃない・・・それよりも、あれ見て」
柏が黒板に指を指している。そこには20分後に発表と書いてあった。
「発表するんだって、めんどくさいわね・・・」
「そうなの?俺あの先生嫌いだわ、小学生じゃねえんだから発表させんなよ」
「小学生じゃなくてもやらされることだと思うのだけれど?でも、こういう時っていつも発表させられるよね」
「やれと?」
柏はコクリと頷く。発表点は成績に入るからな、柏はそれを気にしているのだろう。それなら俺も頑張ってみよう。
「分かった、久しぶりに本気出すか・・・それでなにするの?」
「ここからここまでについてレポートを二人で協力して書くらしい」
柏は教科書を指さして何をまとめるのか具体的に教えてくれる。流石は成績優秀だな。俺とは大違いだ。
「柏はどんなふうに書くか決まっているのか?」
「大体は思い浮かんでるよ」
彼女のメモを見てみると短時間で書いたのが嘘みたいに綺麗にまとまっていた。ただ教科書の文をうつしているのではなく自分の考えを書いてあったり、わかりにくいところに線を引いて工夫してある。
「細かいな・・・俺こんなに書けるかな、眠くなってきた」
「流石にここまでやらなくていいわよ」
「そのとおりだわ、できる気がしない」
レポートは大体は柏が作っていた。もちろん俺も少しやったぞ?自分の考えのところとか。
その後は特に柏と接触せずに昼休みになった。
昼休みは友達と飯を食べる人、グループで食べる人などいるが俺はもちろん一人で食べる派である。友達がいないとかそういうのではない。
ふと隣を見ると柏も一人で食べているようだった。俺が見ているとこっちに気づいた。
あとがき
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