キジトラ、パニックをごまかす
ある夜の事。バスを降りて歩いていたら、どこかの車がちょうど帰ってきたらしく、バックライトの光が駐車場の柵や道路を赤く染めていた。
ニャンちゃんズはこの駐車場のどこかにいることが多いけど、車が動いてたり、乗り降りする人がいる時はあらかじめどこかへ移動するのか見掛けない。
そりゃそうだよね。轢かれたら困るもんね。
てことは今日はいないな、と思ってちょうどその車の横を通りすぎようとしたその時。
目の前で何かがすごい勢いで柵を飛び越え、ガードレールを潜り、車道に飛び出した!
ええ、そうです、Nたろうちゃんでした。
多分車が帰って来てビックリしたんだろうけど、にしてもビックリするの遅くね? 車もう完全に止まるところだったよ。
でもすごい勢いで目の前を横切られると、さすがの私もビックリして声出たよ。夜だから響くよ、ご近所迷惑よ。
しかしながら当のNたろうちゃんと言えば、反対側のガードレール前まで走り抜けると、急に電池が切れたみたいにその場にデンッ! と寝転がった。
ほんとに、デンッ! と。しかもちゃんとこっち見てるの。「なんかありましたかね?」と言わんばかりの顔して。
いや、私は見ていたよ……。キミがビックリして車道に飛び出したところをさ。
車来なくて良かったけど、飛び出したら危ないよぉ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます