キジトラ、増殖する
いつもの駐車場にNたろうちゃんがいるのを遠目で確認しながら歩いていたある日。私の前をNたろうちゃんが横切って行った。
んん?
驚いて思わず二度見する。
駐車場にNたろうちゃんがいて、今私の前を歩いていったのもNたろうちゃん? ドッペルゲンガー?
んなわけ……と思いながら駐車場の横まで来ると
、同じ柄の猫ちゃんが二匹、駐車場にいる。
かたっぽはまるまるしていて、もうかたっぽは一回り小さい。
まるまるした方のNたろうちゃんはいつものように地面に寝そべっていて、別に何をするわけでもなくボーッとしている。
一回り小さい方のNたろうちゃんも、まるまるした方のNたろうちゃんに怯えるわけでもなくそこにいる。
一緒にいるね。
?????
……隠し子?
どちらも耳カットされてないので子孫繁栄し放題なのだが、柄がまったく同じなのでやっぱりNたろうちゃんの血縁なのかな。真っ白な靴下を履いたおてても一緒。色も一緒。
ひとまず名前が必要だから、小さい子は「Nジュニア」と名付けた。Nたろうちゃんの子供かもしれないから、Nジュニア。単純。
後にも先にも、二匹が一緒にいたのを見たのはこの時だけだったのだが、ここで違いを見出だせなかった事を後々後悔することになる。
どっちも可愛いんだけどさ!
柄が一緒だから!
見掛ける度に、アンタどっち? Nたろうなのジュニアなの? と混乱することになったのです。私が。
だってそっくりで可愛いんだもん! 一匹じゃ大きさなんて分からないんだもん!
誰か違いを教えてくだされ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます