キジトラちゃんの背を追って。
黒月一条 ₍ᐞ•༝•ᐞ₎◞猫部
キジトラのあなた
数年前から見掛けるようになった猫ちゃんがいる。首輪はしてない。まるまるしているけれど、野良ちゃんだ。
野良ちゃんを見掛ける時は決まって同じ場所。カーブを曲がるところ。駐車場の車の隣。ちょこんとおすわりをして、じっとしている。
はじめは遠くから見ているだけだった。でも、逃げないので少しだけ近づいてみたのが始まりだった。
逃げられた。
やっぱり野良ちゃんだから、人間が近付くと逃げてしまうのかとしょんぼりして帰った気がする。
またある時。野良ちゃんを見掛けた。野良ちゃんだから毎日いるとは限らなくて、何日か連続で見掛けることもあれば、数ヶ月見掛けないこともある。
だから会えた時はとても嬉しくなってしまう。
ウキウキしながら逃げない距離まで近付いて、挨拶をしてみた。
「こんにちはー」って。
人間の言葉が通じるなんて思ってもいなかったけど、意外にも野良ちゃんは「にゃー」っと可愛い声で返事をしてくれた。
嬉しい! 可愛い! 抱き締めたい!
爆発しそうな思いを抱えて、踏み出したい一歩を踏み出せずうずうずする日々。
だってアイツは2mに厳しい猫なのだ。2m以上近付こうとするとあっという間に逃げてしまう。
それなのに、柵を隔てていたり、2m以上近付かなければゴロンゴロンしてお腹を見せてくれたり、毛繕いをしてくれたりもする。
なんなの!
つんでれ?
つんでれなの?
あーーーーかわいいーーーーー!
そんなわけで私の片想いが始まる。
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