Coffee first, Schemes later
雨ノ森
第1話 espresso
[espresso]
表通りから一本入ったところにあるその店は、カフェと言うより「喫茶店」と言う方がしっくりくる雰囲気だった。『カルテット』という名だけあってクラシックが控えめに流れ、品のいい初老のマスターが丁寧にコーヒーを淹れ、蔦の絡まる窓は丁度良い感じに目隠しになり窓際の席でもゆったりと過ごすことが出来た。
高校からの同級生の河井拓未の後釜にありついて始めたバイトだった。何度か訪れマスターとも顔見知りになっていたこともあり、話はあっという間に決まった。
飲食系のバイトは初めてだったが割と何事にも要領のいい方で、三日経つ頃にはランチタイムを回し、一通りのフロアの仕事は一人で出来るようになっていた。
「ちょっと陸、あんま優秀にされると俺の積み重ねた評判にキズがつくんだけど」
昼飯のかけうどんを啜りながら拓未が因縁をつける。昨日店に行った時にマスターだか常連だかに何やら聞かされたらしい。
「いちいち聞くの面倒だし、早く一人でできた方がいいじゃん」と言うと
「そういうとこなー」と恨めしげだ。
「拓未そういうとこなー」と返し
「コイツ面倒くせぇから授業行ってくるわ」会話を切り上げて席を立つと
「陸、シカノさん来た?」
「誰さん?」
「シカノさん、見たら分かるよ」
意味深に席を立った俺にヒラヒラと手を振った。
拓未は数少ない俺のセクシュアリティを知ってる友人だ。拓未はノンケだが何故かいつも俺の好みをズバリと言い当てた。
それから数日は何となく気になって入ってくる客を気にしていたが、特に俺の食指に触れる客は来ず、どうでも良くなった頃にその時が訪れた。
ランチタイムが終わってひと息ついたタイミングで入ってきたのはふわりとした亜麻色の髪に切れ長の大きな目、オーバーサイズの服をラフに着こなした二〇代半ばくらいのひとだった。
思わず見蕩れてしまった。
「あれ、シカノさん久しぶりじゃない」
マスターが声をかけ、その人が拓未の言っていた『シカノさん』だと分かった。
「なんか出張から帰ってからバタバタしてて」カウンターに腰掛け、トートバッグから出した小さな包みを俺に渡す。
「チョコ、好き?」
そう言って目を細めて笑った。
①シカノさんは鹿野と書くらしい。
②近くにある美術館で学芸員をしている。
③必ずブレンドのホットを飲む(たまにオーダーを忘れるが、コーヒーを出してあげること)
以上が今日俺が知り得た情報だった。
マスターと出張先らしいパリの話をしてオーダーはしていなかったが、マスターがホットコーヒーを出す。気づいているのかいないのか当たり前にそれを飲み、ちゃんと一杯分の料金を支払って、「それじゃまた」と職場に戻って行った。
チョコレートの包みをマスターに渡そうとすると
「いいよ、池田くん貰っておきな」と言うので遠慮なく貰うことにした。包みにはmade in Franceと書かれていた。
バイトが終わるとすぐさま拓未にメッセージを送った。
《鹿野さんきた》
《ヤバい》
《めちゃくちゃ好み》
《おい》
《なんかいえや》
そこまで一気に打つと《電話しろ》と返信が来た。
電話を掛けると繋がるやいなや
「お前のタイプだろ」
「話した?」と聞かれ今日の事を話した。なんだそれだけかよと言いながら拓未によると週に二回程度は来店し、たまに打ち合わせなんかにも使ったりするらしかった。出張も多く、ちょっとしたお土産を持ってきてくれることもあると話し始めたが、ふと話を止めてまぁ後は自分で聞いたらいいじゃんと言い、最後に「鹿野さん素敵な人だよ」と付け加えた。
「うん」と答えると「またすぐ来るといいな」と言って勝手に電話は切れた。
とりあえずあそこでバイトをしている限り高確率で会えるということはわかった。
「恋人いんのかな…いるよな」口に出して言ってみる。ちょっと冷たそうな伏し目がちの目を思い出すと下半身が疼いた。声はどんなだっけ?手が、カップを持つ指が細くて綺麗だった。その指がペニスを扱く自分の手に重なるのを想像したところで呆気なく果てた。自分は惚れっぽい訳では無いが、それを差し置いても今日初めて会った鹿野さんにすっかり心を奪われていた。ゲイの自分には偶然の出会いから恋愛が始まるなんてそんなことは期待してはいない。だから始めから先のある恋愛なんて要らないといつからか思っていた。
次のシフトは二日後の土曜日で、ランチのコアタイムを過ぎても客足は途切れずしばらくはほぼ満席状態が続いた。
オーダーを出し終え、やっと空席が出来始めるとマスターから休憩の声が掛かる。バックヤードで賄いのカレーを食べて戻ってくると静かになった店内のカウンターの隅に鹿野さんが座っていた。
マスターは戻った俺を見て、洗い場のヘルプに来ていた奥さんと出ていった。ティータイムはドリンクとスイーツのみなので、この隙にマスターも短い休憩を取る。
鹿野さんは俺と目が合うと手元の本から目を上げてほんの少し頭を下げて会釈をした。不意打ちを食らい、上ずった声で「いらっしゃいませ」と言うと鹿野さんはまた本に目を落とした。話したい、自分を見て欲しい。独りよがりの欲が声をかけるチャンスを伺う。
そこへちょうどかけていたCDが終わり、同じものをかけるか、他のをかけるかちょっと迷った。あぁそうだと思い「鹿野さん」と声をかけた。
「音楽、何か聞きたいのとかありますか?」
聞いてからクラシックしか無いことに気づいた。
鹿野さんはうーんと少し考えて「室内楽がいいな、ベートーヴェンの弦楽四重奏とか?」と言った。作曲家ごとに並べてある棚からベートーヴェンの弦楽四重奏を手に取った。
「これで合ってますか」
「僕の選曲でいいの?」
「俺クラシックとか全然分からないんで」
「僕もそうだよ」
そう言ってコーヒーカップを弄んだ。
弦楽四重奏は午後のゆったりした雰囲気を更に優雅にした。
「ベートーヴェンてジャジャジャジャーンじゃない曲もあるんですね」
我ながらバカな感想を言ったと思ったが、鹿野さんは池田くんは素直だねと笑った。
それから暫く鹿野さんは姿を見せなかった。忙しいのだろうかと思いながらも待つことが会えないことが、こんなにも自分にダメージがある事に気付かされた。
自分でも信じられないが弦楽四重奏十三番をダウンロードして聴くようになった。昨日は拓未が何聴いてんの?とイヤホンを取り上げ耳に充ててひっくり返っていた。
「鹿野さん来ないんだよね」
「何日よ」
「一週間…?」指を七本出して見つめた。
「お前、重症な」
拓未は大袈裟に呆れてみせる。
「俺に一週間会わなくてもそーなるかよ」
「お前と比べんなよ」と言うと「悪かったな」と低い声を出した。
「出張行く時はシフト入れないようにするから言ってくれればいいのに」
「あのな、お前鹿野さんの何よ」
「あー、何か名前のついた存在になりてぇ」
「もー、俺バイト行くわ」
拓未は面倒くさそうに、縋る俺を振りほどいて逃げて行った。
十日目に鹿野さんは現れた。いつものようにカウンターの隅に座り、コーヒーを前に小さく欠伸をした。
嬉しくて「お久しぶりです」と思わず言うと目を細めて笑った。店も落ち着いていたので、鹿野さんの邪魔にならない程度に話しかける。
次の展覧会の担当をしていて、展覧会準備の他、図録や美術雑誌に掲載する原稿執筆に追われているとのことだった。
そして思い出したように
「池田くんてスノボする?」と聞かれ、ひと冬に一回は行くと答える。そういえばまた拓未らと来月辺り行く予定だった。
弟さんから使わなくなった板を無理やり送り付けられたがスノボなんてするつもりは一生無いので粗大ゴミで出そうか考えていたとの事だった。
ボードは実家に置いてきたので今は専らレンタルだった。捨ててしまうなら譲って欲しいと伝えると近いうちに鹿野さんのところに取りに行く事になった。
急な展開で距離が縮まった気がして興奮したのかなんだか上手く眠れなかった。
「貴方が好きです」と声に出してみる。
きっと鹿野さんは俺を家に招く事なんてなんの意図もないのだろうが、プライベートスペースに招かれることに嬉しさと緊張を感じていた。
鹿野さんの最寄り駅で待ち合わせて駅前の定食屋で軽く飲みながら夕食を摂った。いいと言ったのにいいからと奢られてしまい、これからボードも貰うのにとぶつぶつ言っていると粗大ゴミで出すつもりが貰ってくれるなら処分の費用も浮くのだから夕食くらい気にしないでと言ってくれた。
店の外で会うのは初めてだった。お互いを遮るカウンターが無いだけでとても無防備で危うい距離に感じられる。手を伸ばせば触れられる距離にいる鹿野さんの横を歩くだけでドキドキしていた。
鹿野さんの家は世帯数の多そうな割と規模の大きなマンションだった。分譲と賃貸、ファミリー層から単身層まで色々なタイプの部屋があり、それぞれ入口も別との事だった。部屋に入ると適当に座っててと言い、キッチンでコーヒーメーカーをセットしている。何となく落ち着かず、後ろに立って見ていると俺の気配で鹿野さんが振り向き、顔をあげると思いがけず顔が近くなった。長い睫毛の一本一本まで見える距離で、緑がかった深い茶色の瞳に自分が映る。気がつけば顔を寄せてキスをしていた。薄く柔らかな唇の感触にハッとして目を開けると鹿野さんは抵抗するでもなく大きな目で俺を見ていた。そっと離れると鹿野さんは少し困ったような、何か迷っているようなそんな表情をして何も言わず立っていた。
「鹿野さん、好きです」
何度も頭の中で回っていた言葉が口から勝手に出てしまう。
鹿野さんは少し思案して漸く口を開いた。
「うん、ちゃんと聞くから、待ってて」
そう静かに言って俺にソファに座るよう促した。
コーヒーが出来るまで鹿野さんはキッチンに、俺はソファで無言だった。ほんの数分がものすごく長く、居心地の悪い時間に感じた。いけないと思いつつ写真や何か恋人らしき痕跡がないかつい探してしまう。何度もイメージしたキスも告白も発作的にしてしまった自分に呆れたが、でも何処かで今しかなかったとも感じていた。
コーヒーが入ったマグカップの一つを俺に手渡し、鹿野さんが隣に座った。
「あの、すいませんでした」
「謝らなくていいよ」と優しく言ってくれた。「その、俺の《好き》は…」
言いかけたところでまだ今なら誤魔化せるのではないか、さっき飲んだビールの酔いが回ってキスしちゃった位にできるのではないかという考えが過ぎった。
「何となく気付いていたんだ」
しかし鹿野さんはそう言って俺を赦してはくれなかった
「え?」
「池田くんから好意を寄せてもらってるって気付いてた」でも、と続けて
「君の好意を受け止める覚悟もキャパもなかったから気づかない振りをしてた。」
予想もしなかった言葉が返ってきた。
「なのに家に呼んじゃダメだよね」
「鹿野さん俺、あなたが好きです。あなたのことでずっといっぱいで、その、俺」
もう一度言うと鹿野さんは暫く黙った後
「少し時間をくれないかな。ごめんね、そんなには待たせないから」
俺はどんな顔をしてだろう、それから何かを思い出した様に立ち上がった。
「そうだ、ボードだったよね」
隣の部屋に入り、大きなボードを抱えて出てきたので急いで受け取る。カバーには有名メーカーのロゴが印刷されていた。
「これ、結構いいボードじゃないです?」
「ごめんね、普通デザインとか見てから決めるよね」
言いながらするするとカバーを外して見せてくれた。白い雪原に映えそうなアクアブルーを基調としたグラフィティが大胆に描かれていた。
「さすが鹿野さんの弟さん、オシャレですね」
有難く使わせて貰いますと言って受け取った。
宙ぶらりんなまま長居も出来ないので、立ち上がったついでにそのまま帰ることにした。
「池田くん。ひとつお願いがあるんだけど」
鹿野さんは真っ直ぐ俺を見た。
「もう一回、キスしてもいい?」
一瞬、何を言われたのか理解出来なかったが目を見れば揶揄っている訳でないことはすぐにわかった。真意など分からない。何かを確かめたいのかもしれないし、若しくは俺を試しているのか。混乱しつつも俺より小柄な鹿野さんの両肩に手を置いて身体を寄せると、少し上を向いて目を閉じた。そっと唇を重ね、角度を変えて何度か触れるだけのキスをした。
「ありがとう、我儘言ってごめんね」
人差し指で自分の唇に触れながらそう言った。我儘がキスのことなのか、返事を待つことなのかは分からなかった。
帰り際、駅まで送ると言われたが断った。ドアを閉めると膨れ上がった行き場のない感情がどっと溢れ出し、正直これ以上一緒にいたら泣き出してしまいそうだった。
今はどんな情報やメッセージを見ても気持ちが乱れてしまいそうで家に帰るまでスマホを見る事が出来なかった。自分のアパートに戻ると漸くホッとして玄関に崩れるように座り込んだ。恐る恐るスマホを起動するといくつかの通知に紛れて拓未からスタンプだけのメッセージが届いていた。今日、鹿野さんの所にボードを取りに行くと拓未には話していたから気にしてくれているのだろう。
《やらかしたのでもう寝る》とだけ返信すると既読にはなったものの返信は来なかった。
冷てえなと思っていると一時間後にドアのブザーが鳴った。
こんな時間に誰かと思うと拓未だった。「まぁまぁまぁ」と勝手に入ってきてローテーブルに酒やらスナック菓子やら並べ始めた。
恥ずかしい反面、誰かに聞いて欲しくて酒の力を借りて拓未に鹿野さんにキスをしたこと、告白したこと、帰り際にもう一度キスしたこと、鹿野さんの返事待ちであることを話した。
「お前と鹿野さんがキスとか全っ然想像つかねえんだけど」と言いながらも
「もう一回キスしたい、って言うからには男っていうか、お前のこと嫌じゃないんだろうし、見込みありなんじゃないの」 かと言った。
拓未は酔っているのか「軽く思われたくないから即答は避けるけど、ちゅーはしたかった」とか言い始める。
「おいコラてめぇ鹿野さん侮辱すんな」と凄むとホント好きな、と笑った。
鹿野さんのことだからちゃんと返事してくれるだろうし、待たせないって言ってんなら大人しく待ってればいいんだよ。と突っ伏する俺の髪をぐしゃぐしゃに混ぜながら言った。
お前さぁ、と拓未が言いにくそうに口を開く。
もし付き合ったらお前が鹿野さん抱くの?
ノンケの拓未にどう答えて良いか分からず、そんなのは雰囲気で何とかなんだよと言うと「鹿野さんてゲイだったのか」
拓未が独り言のように言った。
「え?ゲイなの?」と聞き返すと今度は拓未が変な顔をして「違うの?」と俺の反応に明らかに混乱している。
「いや、俺確かめてないけど」
「別に相手がゲイだろうがノンケだろうが、好きになったら関係ないし」
「お前のそういうとこ羨ましいよ」と感心しているのか呆れてるのか分からない言い方をした。
たださっきの様子から判断する限り、恐らくゲイでネコだろうと思った。
「あー!鹿野さんとえっちしたい。多分、絶対、猛烈に可愛い」と呟くと「うるせぇな、何だ元気かよ」と転がる俺の頭を叩いた。
「まぁでもお前、やることやったんだから後は待つしかねぇだろ」
翌日のことも考えず、結局明け方に寝落ちするまで二人で飲み続けた。
ことある事にスマホを確認してしまう。何となく気分も晴れず、この数日は出来るだけ一人で過ごした。
「この間はありがとう。急だけど今日か明日辺り会えないかな」
鹿野さんから連絡があったのはそれから四日後だった。
どちらも夜なら空いてます、と返信すると暫くして今日の七時にこの間と同じ場所でいい?と返ってきた。
外で会うのかとばかり思っていた俺は待ち合わせが鹿野さんの最寄り駅だったことに少し驚いた。
拓未はああ言っていたが、正直どっちに転ぶのか予想もつかないし、自信も無い。自分がこんなネガティブな気持ちになるとは思いもしなかった。
今まで相手は出会い専用のバーとかアプリで探していた。セックスをするために会い、スタートの時点で既に合意なので、こんな相手が自分の気持ちを受け容れてくれるのかどうかなんて思いをしたことはなく、片思いってこんなに辛いんだなと二十歳を過ぎてやるせない胸の痛みを知った。
待ち合わせの駅に着くとラッシュの時間帯に電車が遅れたせいで電車もホームも混雑していた。複数乗り入れるターミナル駅だけあって構内はごった返していて人の波に乗ってゆっくり進むしか無く。漸く改札に辿り着くと鹿野さんが柱に凭れて待っているのが見えた。
大ぶりのマフラーで顔が半分隠れていたがそれでも綺麗な顔立ちは目立った。俺を認めてひらりと手を挙げると周りにいた人は彼の待ち合わせの相手が男だと分かりがっかりしたようだった。
「すいません、待ちました?」
「ううん、時間ピッタリだよ」と言ってゆっくり歩き出した。
お腹すいてる?と聞かれ、この後話は長くなるのか、あっという間に終わるのかどっちだろうと余計なことを考える。そんな俺を見透かしてかラーメンどう?と言ってぼんやりしている俺を通りの店に押し込んだ。カウンターとテーブル席が数席ばかりの小さな店でメニューはシンプルに醤油ラーメンと味噌ラーメンしか無かった。
冷えきった体に熱いスープがじんわりと染みた。「うまあ」と呟くと「でしょ」と言っていつものように目を細めた。
繊細でお洒落な雰囲気の鹿野さんからラーメン屋は少し意外だった。
「鹿野さんもラーメン屋とか入るんですね」
「ラーメンからパンケーキまで全然行けるよ」と悪戯っぽく言う。
じゃあ今度、と言いそうになってこれから話す内容の答えを知らない事を思い出して口ごもった。
上手く隠したつもりだったけど、多分鹿野さんには見透かされている。
「食事は誰かと一緒の方が美味しいね」と逆に返答に困るような事を独り言のように言うので曖昧に頷くしかなかった。
鹿野さんの家までは何となく無言で歩いた。
余計な話をするとこれからする話に全て結びついてしまいそうで何となく言葉が出なかった。
部屋に着くと鹿野さんは俺をソファに促し、この間と同じようにコーヒーメーカーに豆をセットした。
「この間のコーヒー、どうだった?」
「美味しかったですよ」
咄嗟に答えたが正直味なんて全く覚えてなかった。やがてコーヒーの香りで部屋が満たされていくと少し緊張が解れた気がした。先に俺の前にカップを置いてからぐるりと回って隣に座る。
「少し僕の話をしていいかな」
手に持ったカップを見つめながら言った。
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