第2話

『つまり、区画ごと、人ではないものに覆われていて、それを何かが反射してたってわけか?』


「そう。たぶんそう」


 俺の女。ぎりぎりのところで、敵の覆いから俺を投げ飛ばした。結果として俺は助かり、女は区画のなか。通信も効かない。


「外からの見た目はそのままだけど、わずかに内部は暗い。かなりRCCを可視化できる連中じゃないと戦うこと自体が無理だな」


 女がいないので、言葉遣いも外行きのオトコスタイル。


「動かせるやつら、いるか。俺だけだと流石に無理だ」


 瞬間火力だと、俺の女のほうが強い。俺は専ら継戦能力と索敵のほうなので、こういうでかいやつとは相性が良くない。


「せめてマイハニーが逃げ延びていればなぁ」


 とはいえ、心配はしてない。瞬間火力の女だから。俺の女は強い。


「あっ」


『あ?』


「あっいや。今日は強火で炒め物作ろうかなって」


 買い物はしたけど、何作るかまだ決めてなかった。それが今、決まった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る