ダブルストーキング~止まらないストーカーの恋愛バトル、そして時々メロンソーダ~
月本 招
始まりの日
まだ社会人になりたての夏。
日曜と言うこともあって、実家の2階、自室のベランダ側のベッドで汗をかきながら寝ていた時のこと。
「うにゃにゃにゃにゃにゃーーーっ」
飼い猫の聞きなれない鳴き声でぼんやりと目を覚ます。
足元に乗っているのか、やたらと重い。
まだ眠かったので、とりあえずどかそうと思い、瞼を開けて足元に目を向ける。
すると、飼い猫2匹が俺のベッドの上で交尾をしていた(共に去勢済み)
猫の交尾は初めて見た。
へー、後ろからオスがメスの首筋に噛みついて体勢を固定させるんだぁ。
コイツ、一生懸命に腰を振ってんなぁ。
やっぱり気持ちいいのかなぁ(ほげー)
……って、コイツらは主人である俺を差し置いて、何で人んちのベッドで朝っぱらから盛ってやがんだよッ(怒)
「……お前ら、フラれたばっかりの俺に対する当てつけかぁーーーッ!」
「うにゃあああああーーん」
怒りに任せてタオルケットを引っ張ってやった。
猫2匹は天国から地獄とばかりに俺の部屋から退散していったのだった。
「はぁはぁ、朝っぱらからナメやがって。ふざけんじゃねぇってんだ」
そうして、何とも言えない気分のまま寝汗を流すべく、シャワーを浴びに行く。
この時、この日があんなに恐ろしい出来事に繋がる第一歩になるなんて思いもせずに。
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